【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第4章】ザフィーラやヴィクトーリアたちとの会話。
【第1節】談話室にて、まず六人での会話。
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ます。
《解っているだろうが、二人とも。なのはの「すり替わり」の件は、まだこの三人にも秘密だからな。》
双子は、念話ではそれにうなずきながらも、表情には巧みに疑問の色を浮かべてみせました。
ヴィクトーリアはそれを見ると、何やら少し楽しげな口調でこう続けます。
「ジェルバ君は、マルセオラさんの『自慢の弟』なんだけど」
そして、一瞬の沈黙の後、カナタはいきなり大きな声を上げました。
「ああ! そう言えば、マルセオラさんのフルネームは、マルセオラ・タグロン・ブラーニィ。今までずっと『女性としては変わったミドルネームだなぁ』とか思ってたけど、タグロンって元の苗字だったんだ!」
「そう言えば、7歳年下の弟さんが一人いて、『今は自分に代わって、その弟が執務官を目指している』という話ならば、昨年の今頃、初めて正式に紹介された時にお聞きしたことがありますが……その時は、弟さんのお名前までは伺っておりませんでした」
「ああ。そうだったのね」
ヴィクトーリアが納得すると、今度はザフィーラがツバサに訊きました。
「なんだ。彼女も元々は執務官志望だったのか?」
「ええ。聞いた話ですが、フェイト母様の許で最大限の努力はしてみたものの、先天的な魔力資質に少し不足があって空戦スキルが思うようには伸びず、それでやむなく断念したのだそうです」
「ああ〜。そう言えば、執務官って、空戦スキルが必須だからな〜」
「そうですね。普通ならAAAランク、最低でもAAランクが必要になります」
双子が揃って何やら辛そうな声を上げると、ヴィクトーリアは早速、期待に満ちた口調でこう問いかけます。
「あら。もしかして、あなたたちも執務官を目指してるの?」
「いえいえ! ボクら、そこまでの器じゃありませんから!」
カナタは慌てて否定しました。どうやら、これは謙遜という訳でもなさそうです。
「私たちは二人そろって、母様たちの優れた魔力資質を、まるで受け継いではいませんからねえ」
ツバサも少し自嘲気味にそう言葉を添えたのですが、それでもまだ、ヴィクトーリアの勢いは止まりません。
「大丈夫よ! あなたたち、まだ12歳なんでしょ? アインハルトさんだって、14歳ぐらいまでは、まだそれほどマトモには飛べなかったんだから」
「そうですとも。さらに、ウチのお嬢様に至っては……」
「エドガー! 今、その話はしなくていいから!」
ヴィクトーリアは慌てて執事の言葉を遮りました。どうやら、彼女も空戦には相当にてこずったようです。
「うわ〜。やっぱり、空戦って、むつかしいんだな〜」
「私たちのように、ただフワフワと飛べるだけでは、お話になりませんからねえ。高速で動きながら、索敵とか、攻撃とか、防禦とか、回避とか……なかなか母様たちのよ
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