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邪教、引き継ぎます
第三章
20.最後の巨人族
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見えない。面白そうな笑みを浮かべたままである。
 ちなみに、「よくこんな胡散臭(うさんくさ)いのを仲間にしたね」というのが、ミグアによるタクト評だった。

「ミグアさん、だったね? なんか君、頭良さそうな感じだし、いい案が色々思いつくんじゃないの。しかもなんとなくフォル君のことを心配してる雰囲気も感じるし。仲間になって手伝ってあげたりするのはどう?」

 タクト本人は知る由もないわけだが、奇しくもそれは老アークデーモン・ヒースが以前に少女にした提案の内容とほぼ同じであった。
 今度は少女の目がタクトに向けられる。

「うわー、ゴミを見るような目だ」

 大げさに体をすくめる短髪の青年。
 白い少女は特に追い打ちはせず、お茶を飲み終わって空になった器を持ち、スッと席を立った。

「教えてあげる。この地に現れし勇者を助けること――そんな神託を受けていたのがこの祠。だから神父とわたしの二人は、これからハーゴン討伐に向かうというロトの子孫三人組の世話をした」

 少女はフォルを見る。
 この祠の役割の話をきちんとフォルにするのは初めてであった。

「その意味では、ハーゴンの後を継ぐと決意した今のキミにとって、この祠は敵対的な存在になったという見方もできる。何か勘違いしているなら、今のうちに意識を直しておいたほうがいい」
「しかし大灯台にいらっしゃった剣士さんもそうでしたが、ハーゴン様やシドー様が亡くなられた時点で、神託は役割を終えているのでは」
「そうかもしれない。けど、新しい神託が下る可能性もないわけじゃないでしょ」
「新たな神託がないことを願いますが、あったとしてもあなたはいつまでも私の命の恩人です」

 少女のマフラーから白い息が漏れる。

「ま、とりあえず強力な護衛を増やすのと、誰かがロンダルキアに侵入してきたら神殿まですぐに連絡できるようにする体制を整えたらどう? あとは将来的に大軍に攻められたら地の利を生かして相手の補給線を狙う方針になると思うから、神殿で籠城できるように塁と堀を造っておくといいかもしれない。他にもできることはたくさんありそうだから、そっちで適当に考えて」



 扉の外まで送ってくれた少女に対し、フォルは深々と頭を下げた。
 タクトとバーサーカーの少女も軽く片手をあげて謝意を示し、タクトが連れてきて外でお留守番だったキラーマシン一体も剣を持ったほうの腕を少し挙げてあいさつのような動きをした。

「お邪魔しました。ありがとうございました」

 そう言って、フォルが頭を戻したときだった。

 ――ドスン、ドスン。

 異様な足音が聞こえてきた。
 フォルの背後、帰り道の方向からだった。

「ん? なんだろう」

 タクトはまだ聞いたことがない音のようだが
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