第十一話 忍術は暴力ではないその三
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「自分が受けていなくてもね」
「何時か自分も受けるから」
「だからね」
その為にというのだ。
「絶対によ」
「逃げることね」
「そうよ」
そうした輩のいる場所からだというのだ。
「自分が暴力を受けていないならいい」
「そう考えていたらね」
「何時か自分もよ」
「暴力受けるわね」
「そんな奴いますね」
白華もそれはと答えた。
「世の中には」
「そうでしょ」
「はい、暴力なんて最低の奴のやることです」
「そしてその最低な奴はね」
「誰でもですね」
「とんでもない暴力を振るってね」
そうしてというのだ。
「虐げるのよ、そして自分はよ」
「暴力を振るって」
「人を踏み付けてね」
文字通りそうする場合もあれば心でそうする場合もある。
「得意満面よ」
「暴力で人を支配するんですね」
「そうよ、要するにね」
「あの、それじゃあ」
白華は真昼のその話を聞いて嫌そうな顔になった、そうしてそのうえで答えたのだった。
「ヤクザ屋さんですね」
「そうよね」
「あの、私狼や猿の群れも知ってますけれど」
「生きものの群れもね」
彼等のコミュニティーはとだ、真昼は答えた。そのコミュニティーはそれぞれの生きものの社会でもあるのだ。
そのことからだ、真昼は白華に答えた。
「ちゃんとした社会でね」
「暴力の世界じゃないですね」
「それぞれの生きものの中のルールがあってね」
そうであってというのだ。
「その中でよ」
「群れは動いていますね」
「そうなのよ」
「だから暴力で支配するのとはですね」
「違うわよ」
断じてと、とだ。真昼は言い切った。
「確かに牙や爪や力はあるけれど」
「それでもですね」
「ルールがあるのよ」
それぞれの生きものの群れの中にはというのだ。
「それでよ」
「その中で生きて暮らしていますね」
「そう、だから暴力振るう人はね」
「そうした生きもの以下ですね」
「猛獣未満よ」
「猛獣にも社会ありますからね」
「ライオンや虎だってね」
その猛獣と呼ばれる生きもの達もというのだ。
「それぞれルールがある中で生きているしお腹空いてないと攻撃とかしないし」
「狩りですね」
「狩りとか何か戦う必要がないと」
「暴力は振るわないですね」
「だからね」
それでというのだ。
「そうした人は猛獣未満で」
「以下どころか」
「最低最悪のね」
そう言っていいまでのというのだ。
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