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金木犀の許嫁
第十一話 忍術は暴力ではないその二

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「こうしたものはね」
「振るったら駄目ね」
「如何に駄目かわかるでしょ」
 真顔でだ、真昼は夜空に言った。
「暴力が」
「今のお話でわかったわ」
「そうでしょ、武力はいいのよ」
 この力はというのだ。
「法律や理性のコントロールを受けているからね」
「誰かを守る為のもので」
「そうであってね」 
 そうした力だからだというのだ。
「いいのよ、けれどね」
「暴力は感情に基いて弱い相手を攻撃するものね」
「虐げてね」
「そうしたものだから」
「絶対にね」
「振るったら駄目ね」
「そうよ、矛を止めるどころか」
 武力の武の文字についてまた言った、真昼は実際にこの漢字に確かなものを見出してそうして言っていた。
「矛を好きなだけよ」
「弱い人に振るうものね」
「だからね」
「振るったら駄目ね」
「それでそんな暴力をね」
「肯定したら駄目よね」
「あのね、動きが悪いからって言って」
 そうしてというのだ。
「生徒を袋叩きにするのが武力?」
「絶対に違うわね」
 真昼は一言で答えた。
「それは」
「誰がどう見ても暴力でしょ」
「そうよね」
「こんなことが許されたら」
 この様な暴力がというのだ。
「法律なんてよ」
「意味ないわね」
「それでそんなことする人のところに行けとかね」
「暴力受けに行けって言ってるわね」
「我慢しろなんて」
 こう言えばというのだ。
「暴力を受けることをね」
「我慢しろってことね」
「こんなの許されるか」
「許したら駄目よね」
「そうよ」 
 まさにというのだ。
「暴力教師とかDV彼氏とかがいて」
「そうした人のところに留まれっていうのは」
「暴力を肯定してるのよ」
「そうなるわね」
「むしろそんなことする人達をよ」
「責めるべきよね」
「それをしないで」
 そうしてというのだ。
「行けとか我慢しろ、自分の頃はそうだったとかはね」
「間違いね」
「絶対にね」 
 それこそというのだ。
「そう言うしかないわ」
「そうなのね」
「だからね」
 妹にさらに言った。
「私はそんなこと言わないから」
「暴力を振るう人のところからはなのね」
「去りなさい」
 こう言うのだった。
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