第八話 人の姿でその十八
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「まさか」
「そういえばそうだよな」
確かにとだ、伊賀崎も頷いた。
「魂はあってもな」
「身体がないとそのままだろ」
「九右衛門だって身体得てな」
「ミドリニンジャになってな」
そうしてというのだ。
「結果として成仏したよな」
「そうだよな」
「身体がな」
まさにこれがというのだ。
「ないとな」
「どうしようもないな」
「そしてその身体を出すのは誰か」
それがというのだ。
「そこに魂を戻して」
「何かそう考えるとな」
深く考える顔になってだ、伊賀崎は肉を食べてからまた言った。
「今回相当でかいことか?」
「いや、あれだけの連中が復活してるだけで大きいでしょ」
妹が即座に言ってきた。
「お兄ちゃん何言ってるのよ」
「それもそうか」
「もう、いつも考えるより先に動くんだから」
「そう言われてもな」
「しっかりしてよ、ただお父さんの言う通りね」
すき焼きの中の豆腐を箸で小さく切ってそうしてその箸で口の中に入れて食べて味だけでなく熱さも感じつつ父を見て話した。
「身体がないとね」
「復活出来ないよな」
「魂はあってもね」
「その魂もあの世から連れて来ないと無理だったりするな」
「あっちの世界に行ってたらね」
「そう考えたらだろ」
「ええ、本当にね」
風花は父に応えて述べた。
「そうよね」
「お父さんこの戦いかなりのものがあるんじゃないかって思いはじめてるんだ」
父はすき焼きの中の椎茸をを食べてから言った。
「実は」
「そうなんだな」
「ああ、その何かがな」
これがというのだ。
「本当にな」
「気になるのね」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「具体的なことはまだ見当がつかないんだ」
首を傾げさせつつこうも言った。
「皆には悪いけれど」
「いや、悪くないよ」
息子がすぐに言ってきた。
「そんなことはな」
「ないんだな」
「ある筈ないだろ、流石父さんだよ」
父を尊敬の目で見て言うのだった。
「そこまで考えられるなんてな」
「そうなんだな」
「はい、全く考えられませんでした」
ニンニンジャーの軍師役の百地も言うことだった。
「復活するにも何か、誰かの力が必要で」
「今回のことはかなり大きいって」
「はい、確かに大きなものとです」
百地は葱を食べながら話した。
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