【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第3章】実験艦〈スキドブラドニール〉、出航。
【第3節】マチュレアとフォデッサの来室。
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た。
さて、カナタとツバサは部屋を出ると、まずはトイレに立ち寄りました。今からヴィクトーリアのところへ行くと、お茶を付き合うことになるので、『出すべきものは、先に出しておこう』と考えたのです。
しかし、入ってみると、そこは必要以上に立派な造りのレストルームでした。今回の上陸部隊には女性が全部で14名しかいないことを考えると、明らかに広すぎるのですが……どうやら、例の四人部屋と同様、このレストルーム全体が「規格化された、一個の建造用ユニット」のようです。
【こうした「既成の規格品」を多用しているのは、艦の建造費用を少しでも削減するための工夫でしょうか? それとも……。】
カナタが個室に入って便器のフタを上げると、便座の下に張られていたシャッターが左右にスライドして、便座の脇に収納されて行きました。
《ああ。次元航行船の便座にはシャッターがついてるって話、ホントだったんだ。》
他には誰もいませんでしたが、場所が場所だけに、二人は壁越しに念話で会話をします。
《万が一、疑似重力発生装置が壊れたら、艦内は無重量状態になってしまいますからね。便器の中に溜まったモノが宙に飛び散ったりしたら、嫌でしょう?》
《なるほどねえ。……ところで、ツバサ。その疑似重力ユニットって、「使用中」にいきなり壊れたりしないよね?》
カナタはベルトを外すと、ズボンとパンツを一緒に下げて、便座に座ってしまってから、ふと不安げな思念を上げました。
《しませんよ!(笑) 外部からの砲撃とか、内部からの破壊活動とかが無い限り、普通に壊れたりはしませんから、安心して使ってください。》
こうして、二人は小用を済ませ、よく手を洗ってから、レストルームを後にしたのでした。
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