【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第3章】実験艦〈スキドブラドニール〉、出航。
【第3節】マチュレアとフォデッサの来室。
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に、『それはちょっとシンドイかなー』と思ったんで、私らは『他にも知り合いが乗ってるみたいなんで、自分らは先にそっちの方へ挨拶まわりに行って来まーす』とか言って、取りあえず、こっちの部屋に来たのよー」
「それ、大丈夫なの? ホントにあなたたちの知り合いが乗ってるかどうかなんて、少し調べれば、すぐにバレるわよ?」
「いやいや。ホントに乗ってるんスよ」
「ほら。ホールで右の列に一人だけ『髭面のオッサン』がいたでしょ?」
「そう言えば、他の陸士の方々がおおむね二十歳かそこらに見える中で、一人だけ明らかに世代の違う方がいらっしゃいましたね」
そんなツバサの指摘に、二人は『我が意を得たり』とばかりに、勢い込んでこう応えました。
「そう! その人が、私らの知り合い、バラム・ドルガン陸曹!」
「ああ見えて、実は、まだ26歳! そして、恋人募集中っス!」
「「!?」」
これには、四人そろって一瞬、驚きのあまり息が詰まってしまいます。
最初にその驚愕から立ち直ったのは、ゼルフィでした。
「ごめん! 私さ。今ちょっと、いきなり耳が悪くなっちゃったみたいなんだけど……もう一回、言ってくれる?」
「に〜・じゅ〜・う〜・ろ〜・く〜・さ〜・い〜」
「うっわ〜。それ、老け顔にも程があるよ〜」
「ボクも、あの人だけはゼッタイ、提督より年上なんだと思ってた!」
《アレで姉様と同い年とか!》
「と言うか……本気で『恋人募集中』なら、せめてあの髭ぐらいは剃った方が良いんじゃないですかねえ?」
さすがに、ツバサは言うことが冷静です。
「それが、聞いた話だと、あの髭はドルガン家の家風らしいんだよねー」
「エルセアの北部じゃ、名の知れた名家なんスけど。なんか、男は先祖代々、ああいう顔立ちらしいんスよ」
「それも、なんだかな〜」
《母方の遺伝子は一体どこへ?(笑)》
「ところで、陸曹ってことは……何? その人って、あなたたちの直接の上官なの?」
ゼルフィの問いに、二人は見事にシンクロして首を横に振りました。
「いや、お隣の386部隊の人なんだけどさー。実は、去年の夏に、エルセア地方の西側を担当する三つの陸士隊が、若手を中心にはるばるカルナージまで行って合同演習をしたことがあってね。その時に知り合ったのよー」
「まあ。半分、慰安旅行を兼ねてたんスけどね」
「うわ〜、カルナージのベルーラか〜。いいな〜、わたしたちも早く行きた〜い」
「三年前からミッドの陸士隊全体で順番にやってる行事なんだから。別に急がなくても、そのうちに、私たちの番だって巡って来るわよ」
「いや〜。理屈は、確かにそうなんだけどさ〜」
そんな相方のぼやきを他所に、ゼルフィは後学のため(?)また二
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