【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第3章】実験艦〈スキドブラドニール〉、出航。
【第2節】同室のゼルフィやノーラとの会話。
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んなに強い凶悪犯なんて、この世に実在しないわよね!」
ゼルフィは同意を強要するような口調で、また一気にそうまくしたてました。
「あ〜。そう言えば、ディナウド君やガルーチャス君も、似たようなコト、言ってたな〜」
「え? 誰ですか?」
「ああ。ディナウドとガルーチャスは、一貫校時代の私たちの同輩よ。あの二人もペアで陸士103部隊に配属されて、私たちと同じ時期に一等陸士になったんだけど、去年の暮れに、その部隊でも、私たちの部隊とまるっきり同じようなコトがあってさ。
二人とも私たちの話を事前に聞いてたから、『よし、俺たちが仇を取ってやろう』ぐらいのつもりで、今度は20人がかりでスバルさん一人に、私たちと同じような条件で挑んだらしいんだけどね。……まあ、結果はお察しのとおりで。(笑)」
「あ〜。でも、あの二人も、今この艦に乗ってるってことは……もしかして、スバルさんがわたしたちのこと、見所があるって、八神提督に推薦してくれたのかな〜?」
ノーラはちょっと目を輝かせながら、相方に同意を求める口調でそう言ったのですが、ゼルフィの答えは「にべもない」代物でした。
「あんたは、万事につけ、夢を見すぎよ」
「うっわ〜。わたしの相方、キビシイな〜」
これには、双子も思わず、つられて笑ってしまいました。
そこで一拍おいて、今度は、ゼルフィがこう話をつなげました。
「そう言えばさ。昨日の朝に渡された〈隊員名簿〉には『現状では、執務官らを含めて以上18名の予定』とか書かれてて、あなたたち二人の名前が無かったと思うんだけど……二人は今回、どうして急に八神提督から追加招集されたの? やっぱり、なのはさんの代役として?」
「いえいえ! とんでもない!」
「ボクらには、まだまだそんな大役、ゼンゼン務まりませんから!(苦笑)」
「ただ、私たちは、八神提督が『現地で怪しまれずに捜査するためには、小児のような姿をした局員が、もう少しいた方が良いのかも知れない』とのお考えだと伺いましたので、『それならば、私たちが適任だ』と売り込ませていただいたんです」
「うわ〜。君たち、自分から志願したんだ〜」
「ええ。なのは母様を通じて『顔なじみ』だったからこそできた荒技だと言われてしまえば、確かに返す言葉も無いんですが……。それが昨日の午後のことですから、今にして思えば、かなりギリギリのタイミングでした」
そこから、カナタは、つい勢いでこんな言葉を続けてしまいました。
「あとは、もちろん、ボクらは兄様を助けたくて……」
《カナタ! 執務官の親族関係は、すべて第三級の特秘事項です!》
《ああっ! しまった。そうだった!》
「……え? 兄様って?」
ゼルフィは当然、そこに食
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