【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第3章】実験艦〈スキドブラドニール〉、出航。
【第2節】同室のゼルフィやノーラとの会話。
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、カナタやツバサと再会し、改めて友人となるのですが、それはまた、翌年の物語になります。】
そんな会話の後、しばらくして、この部屋にも昼食が届きました。
給仕用の機械人形は、配膳用のワゴンを四人の目の前まで進めると、そこでワゴンの足を固定しました。すると、スプーンやフォークを乗せた上の段が真っ二つに分かれて左右に大きくスライドし、料理を乗せた下の段がせり上がってその空隙にぴたりとハマり込みます。
「食事ガ終ワリマシタラ、マタ、オ呼ビ下サイ」
機械人形はそれだけ言って退室しました。要するに、『このまま、ワゴンをテーブルとして、ベッドを長椅子として使え』ということなのでしょう。
「うわ〜。あと三日間、これが続くのかと思うと、キッツイな〜」
「まあ、下手なインスタントじゃないだけ、マシなんでしょうけどね……」
「ボクはレーションとかも覚悟してましたから、ゼンゼン大丈夫ですヨ」
「では、温かいモノは温かいうちに、いただきましょうか」
「……やっぱ、あなたたち、大物だわ……」
ゼルフィは思わず、半ば呆れたような感嘆の声を漏らしました。
他にすることも無いので、昼食後に機械人形を呼んでワゴンを下げさせた後も、四人は延々と会話を続けたのですが……。
新世界に独り取り残されているアインハルト執務官の話題が出ると、ノーラは少し勢い込んで、こう話を拡げました。
「そうそう。アインハルト執務官と言えばさ〜。8年前の最初の事件では、なのはさんたちが六人がかりで手を貸したんでしょ〜?」
「ええ?! なんで、そんなコトまで知ってるの?」
「本当に、お詳しいですね!」
双子が思わず驚きの声を上げると、ノーラも少し得意げな微笑を浮かべて、さらにこう言葉を続けます。
「ん〜。わたしたち、〈本局〉に来てから初めて『実は、アインハルトさんが独り現地に置き去りにされてるから、今回は急いでそれを救出しに行くんだ』って話を聞かされたんだけどさ〜。わたし、その事件の話を思い出して、『それなら、あの六人のうち誰か一人ぐらいは、今回の調査隊にも参加してるんじゃないか』と期待してたんだけどね〜。正直に言うと、そこは、ちょっと残念だったかな〜」
「この子ったら、昨日の朝に調査隊の〈隊員名簿〉を渡されるまでは、『また、スバルさんに会えるかな〜?』とか言って、結構、はしゃいでたのよ」
そこで、ツバサはふとした疑問をそのまま口にしました。
「ということは……お二人は、スバルさんとはすでに面識があるんですか?」
「ん〜。まあ、スバルさんの方は、わたしたちのことなんか、もう憶えてもいないだろうけどね〜」
ノーラはそう言って、ふと遠い目をしました。あとは、ゼルフィが引き継いで説明を続けます。
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