暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第3章】実験艦〈スキドブラドニール〉、出航。
 【第2節】同室のゼルフィやノーラとの会話。
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「それは……ちょっと想定外の状況ですね……」
《て言うか、探し出して、どうするつもりなのさ?》

「あの子も『クラスのみんなとも話し合ったんだけど。あれって、実は管理局員の潜入捜査だったんじゃないのかな? ねえ、お姉ちゃん。どう思う?』とか言い出して」
《うわぁ。なんか、バレちゃってるヨ……。》
《まあ、常識で考えれば、それが最も妥当な推論ですからねえ。》
 カナタとツバサは声には出さずに、そんな感想を述べ合います。
「それで、私もつい『なるほど。確かに、そうかもね』なんて答えちゃったんだけど。そしたら、あの子ったら、そのうちに『ねえ。お姉ちゃんも管理局員なんでしょ? この二人の素性とか所在とかって、調べられないの?』とか言い始めて……」
「いや。それは……局の『内規』に触れるのでは?」
「うん。だから、もちろん、私もちゃんと妹に説明したわよ。管理局には『たとえ相手が自分の家族であっても、他の局員の個人情報をみだりに漏らしてはいけない』という規則があるから、もしそれを調べること自体はできたとしても、その内容をあなたに教える訳にはいかないんだ、って。
 でも、そうしたら、また、あからさまに落ち込んだ顔をするからさあ。私もつい『あなた自身が局員になってしまえば、何も問題は無いのにね』とか言っちゃったのよ。
 そしたら、何だか本当に『その気』になっちゃったみたいでね。私が帰ったら、すぐに魔法学校の入学願書とか、自分で集め始めたって話で……。両親も『あの子が魔法関係のコトにあんなにも懸命に取り組んでいる姿は初めて見た』って、驚いてたわ。(苦笑)」

「え? でも、彼女って、魔力は?」
「一応、ゼロではなかったはずですが……」
「うん。あの子は今まで、魔力を伸ばす努力とか全然して来なかったからね。……それでも、あの地区には一つ、普通校から『本部キャンパス』への推薦枠が残ってたみたいでさ。実は、あの子、その推薦枠を取って、今年度からいきなりSt.ヒルデ魔法学院の中等科に(かよ)ってるのよ」
「うわ〜。ザンクト・ヒルデって、名門じゃん。……そう言えば、彼女って、学科の成績は相当に優秀だったっけ?」
「ええ。確か、あの初等科学校では、ダントツでトップだったはずですよ。……でも、ベガティス地方からでは、とても(かよ)えませんよね。寮にでも入ったんですか?」
「うん。それで、幸い、ルームメートにも恵まれたみたいでね。やっぱり、中等科からだと、魔法関係の科目は難しいみたいだけど、何とか元気にやってるわ。……ねえ。もし、あの子が本当に局員になれたら、あなたたち、一度ぐらいは会ってあげてね」
「そうですネ」
「ええ。それは、お約束します」
 双子はにこやかに笑ってそう応えました。
【実際には、マティカ・ロータスは管理局員になるよりも先に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ