【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第3章】実験艦〈スキドブラドニール〉、出航。
【第2節】同室のゼルフィやノーラとの会話。
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『あの時、もしも機動六課の人たちが来てくれなかったら、自分もあの場でテロに巻き込まれて死んでいたわ。そしたら、もちろん、あなたもこの世に生まれて来てはいなかったのよ』って。……それで、小さい頃から、ずっと機動六課のこと、気になってたのよ〜。とは言え、いくら調べようとしても、特秘事項だらけで、なかなか調べがつかないんだけどね〜」
「ですよね〜。ボクら、実の娘なのに、まだ聞かせてもらえない話とか、メッチャたくさんありますから」
《カナタ! なのは母様に関しては、入院中という「設定」自体が、表向きはまだ「特秘事項」という扱いなんですからね。あまり喋りすぎないで下さいよ!》
《解ってる。解ってるって。》
そこで、ノーラはふと小さな溜め息をつくと、今度は相方に向かって小言を言い始めました。
「ちょっと、ゼルフィ。あんた、さっきから何やってんのさ〜? 目の前に話し相手がいる時に、そういうのって失礼でしょ〜?」
「ああ、ごめん。……あのさ、二人にちょっと変な事、訊いてもいいかな?」
「はい?」
「あなたたちってさ。もしかして、去年の今頃、ベガティス地方の初等科の学校に、キャナル・アマーティとトゥバル・アマーティって偽名で、潜入捜査とかしてなかった?」
「ええっ! なんで知ってるの? あんなマイナーな事件!」
アマーティは「高町」から最初のTAKを取り除いて作った偽名です。その苗字の語感に合わせて、二人は名前の方も少しばかり変えていたのでした。
「ああ。やっぱり、これ、あなたたちだったのね。もう随分と見慣れた画像のはずなのに、髪型がまるっきり変わってたから、ついさっきまで気がつかなかったわ」
ゼルフィは、自分がデバイスで見ていた映像を、部屋の奥の白っぽい壁に大きく投影して、双子とノーラにもそれを見せました。
双子が組織の中心人物たちを全員ブチのめした後、「鉄格子のはまった牢屋」のような部屋に捕らわれていた数名の少女たちを助け出した場面を、その部屋の奥から撮った構図で、中心には双子が写っています。
(もちろん、鉄格子は画像処理で消されています。)
「うわぁ! これ、誰が撮ったの?」
「多分、奥の方に撮影用のデバイスを取り上げられていなかった子がいたんでしょうね。映像資料は残さないように注意していたつもりだったんですが……迂闊でした」
そこで、ゼルフィは映像の端の方に写っていた栗毛の少女の姿を大きく拡大した上で、双子にこう問いかけました。
「じゃあ、あなたたち、この子の名前って憶えてる? フルネームで」
「ええっと……。確かに見覚えはあるんだけど……何て名前だったっけ?」
「ああ。これは、マティカさんですよ。ほら、一人で花壇の世話をしていた」
それを聞くと、カナタは思わず、ポンと手を打
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