【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第3章】実験艦〈スキドブラドニール〉、出航。
【第2節】同室のゼルフィやノーラとの会話。
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……。え? でも、ちょっと待って! じゃあ、あなたたちって、10歳の時から管理局員をやってて……今回、八神提督から招集を受けたってことは、その歳でもう陸戦Aランク以上な訳?」
「はい。ボクらも昨年の秋に、ようやくAランクを取りました」
カナタはいとも軽々とそう答えました。
(魔導師ランク試験は、年に2回あります。)
すると、ゼルフィは思わず、無言のまま溜め息まじりに天を仰ぎ、ノーラも苦笑を浮かべつつ、ちょっと困ったような声を上げました。
「うっわ〜。どうしよう、ゼルフィ〜。こちら、エリートさんだよ〜」
「いえいえ。まだまだ下っ端の二等陸士ですから」
「幸か不幸か、身の回りにいるのが立派な方ばかりですので、この程度ではまだ自分を誇ることもできません」
「いやいや! その歳でそれなら充分に誇れるでしょう? て言うか、周囲に一体どれだけたくさんの『立派な方』がいれば、そんな風に思えるようになるのよ?」
「あれ? ……そう言えばさ〜。タカマチって、本局の『エース・オブ・エース』と同じ苗字だよね〜。ミッドじゃモノすごく珍しい苗字だと思うんだけど、もしかして、二人とも、なのはさんと親戚だったりするの〜?」
「いえ。その……親戚というか……」
「すみません。ここだけの話ですが、不肖の娘たちです」
双子は何故か、少し申し訳なさそうな口調で答えました。
「えっ! ホントに? あの人って、もうこんなに大きな娘がいたんだ!」
「12歳って……。あ〜、そうか〜! 〈エクリプス事件〉の後で休職してる間に、君たちを産んだんだ〜」
「何だか、お詳しいですね!」
ツバサが少し驚いた口調で言うと、それには、ゼルフィが笑ってこう応えます。
「この子は、『伝説の機動六課』の大ファンなのよ。特に、なのはさんとスバルさんに関しては、もうオタクレベル。(苦笑)」
「いや〜、それほどでも〜。(満面の笑顔)」
《それ、誉めてない! 誉めてないから!》
カナタは思わず噴き出しそうになってしまいました。
しかし、その一方で、ツバサは冷静にこう問い返します。
「え? しかし、19歳ということは……。ノーラさん、機動六課が実際に動いていた年には、まだ生まれてもいなかったんじゃありませんか?」
「ん〜。あの一連のテロ事件があった頃には、わたし、まだ母さんのお腹に宿ったばかりだったんだけどね〜」
ノーラのそんな言葉の途中で、ゼルフィはふと何かに気づき、慌てて(地球で言うスマホのような形をした)通信用の端末を取り出すと、目の前の会話を無視してそちらを操作し始めました。
それに気づいているのか、いないのか。2月生まれのノーラは、いつもの口調でさらにこう言葉を続けます。
「小さい頃、母さんからよく聞かされたんだ〜。
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