【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第3章】実験艦〈スキドブラドニール〉、出航。
【第1節】八神はやて提督、ホールでの訓示。
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
》
カナタ《て言うか、シャマル先生がブリッジで、一体何の仕事、してるのサ?》
ツバサ《さあ……。医師以外にも何か資格をお持ちだったのでしょうか?》
カナタ《あのシャマル先生が、操舵手とか、機関士とか、通信士とか? 何だか、ピンと来ないなあ……。》
そうした会話(および、念話)の後で解散となり、一同は各々の部屋に戻りました。
とは言っても、「上陸部隊用の居住区画」には、個室と呼べる部屋は少し手狭な四人部屋が八つあるだけで、「特別船室」の類は一つもありませんでした。驚くべきことに、提督も執務官も「ただの陸士」と同じ待遇です。
しかも、今回、その四人部屋のうちの一つは機械人形らの待機部屋として使い潰されていました。
そのため、八神家が七人で二部屋を使い、別途に招集された男性12名と女性8名が男女に分かれて四人ずつで残りの五部屋を使うと……帰途には乗員が一人増える予定なので、もう完全に定員ギリギリです。
とにもかくにも、実験艦〈スキドブラドニール〉はこうして、当初の予定を6時間ほど繰り上げ、5月7日の午前11時に〈本局〉から密かに出航したのでした。
しかし、同時に〈本局〉の別の場所からは、ベルカ世界へさまざまな必要物資を届けるための大型輸送船が一隻、(ライガン捜査官からの情報に基づいて)本来の予定を6時間も繰り上げて大急ぎで出航し、密かに〈スキドブラドニール〉の後を追いかけていました。
その輸送船の船長は守旧派の人物で、「何故か」局の上層部から〈スキドブラドニール〉の動向を、特に『ベルカ世界の上空で何をしたのか』を、詳細に記録し、報告するようにとの「密命」を受けていました。『もし可能ならば〈スキドブラドニール〉とベルカ地上との交信内容も傍受するように』とまで言われています。
ですが、もちろん、〈スキドブラドニール〉の側でも、この輸送船に監視されていることは最初から把握できていました。
と言うよりも、こうした『敵』の行動は、実のところ、今はまだ完全に「八神提督の掌の上」だったのです。
さて、はやてはリインやザフィーラと三人で、一番奥の四人部屋を使っていました。扉をロックしてしばらくすると、じきに艦橋のシャマルから報告が上がって来ます。
「つい先程、エルスちゃんの方から連絡がありました。やはり、あの輸送船の出航に際して、貨物関連に限って言えば、何もトラブルは無かったそうです。……すべて、こちらの計画どおりですね」
やはり、何やら妙なエフェクトがかかったような感じの声でしたが、はやてたちはそれを全く気にすること無く、こう応えました。
「あのコンテナの中身を詳しく調べられたりすると、ちょぉメンドくさい話になっとったやろうか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ