暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第3章】実験艦〈スキドブラドニール〉、出航。
 【第1節】八神はやて提督、ホールでの訓示。
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
 その(むね)(しら)せる機械音声とともに、三人の背後では次々に何枚もの隔壁が閉ざされて行き、三人は半ば追い立てられるようにして居住区画に入りました。
 そこで、双子はまず、割り当てられた部屋の「まだ()いている方の片側」に手荷物を置いて、アギトの先導に従って急ぎ広間(ホール)へと向かいます。

 ただし、実際に入室して見ると、そのホールは「普通学校の一般教室」と比べても『それほど大きな差は無い』というほどの広さで、似たような大きさの次元航行艦のホールと比べると、やはり相当に手狭な感じがしました。しかも、内装がまだ出来上がっていないため、随分と殺風景な印象です。
「すいません、マイスター。遅くなりました」
「ええよ、アギト。まだ定刻5分前や。……でも、まあ、これで全員そろったことやし、予定よりちょぉ早いけど、さっさと話、始めよか」
 八神提督はそう言って席を立ち、双子もザフィーラの無言の指示に従って各々「左側二列の最後尾」に並びました。
 これで、今回、提督に招集された総勢20名の局員は(みな平服ではありましたが)一列4人の5列縦隊で整然と並んだ形になります。
(左側の二列は、みな女性で、右側の三列は、みな男性でした。)

 一方、八神家の一同は、シャマルを除く7名が今、このホールに顔を揃えていました。
 ザフィーラだけは、いつもの服装で悠然と腕を組んだまま、どの列にも並ばず、部屋の一番後ろに陣取っていますが、他の6名はみな制服姿で次々に席を立って壇上に上がり、他の20名と向き合う形で横一列に並びます。
 それに合わせて、20名の局員たちも一斉に直立不動の姿勢を取りました。
 八神提督は簡単な自己紹介と挨拶の後、新世界について皆々に改めて「今までの経緯」をひととおり説明してから「本題」に入りました。

 今回の第二次調査隊の目的は、「全員で無事に本局まで帰って来ること」を除けば、ごく大雑把に言って次の三つになります。
 まずは、アインハルト執務官の「救出」ですが……これは何としても「平和的な交渉」によって行なわれるべきであり、現地での過度な暴力行為は禁止です。
 次に、その交渉のための下準備としても必要な「基礎調査」の続行ですが……これも、現地の社会不安を(あお)らないよう、可能な限り「正体」を隠して行なう必要があります。
 今まで「完全に孤立」していた世界の一般民衆にとって、『別の世界から誰かが来た』というのは、ただそれだけでも充分に衝撃的で、大規模なパニックをも引き起こしかねないほどの「事件」だからです。
(地球で生まれ育ったはやてには、ただそれだけのことでパニックを起こしてしまう気持ちもよく解ります。)

 さらには、もし可能であれば、現地の王族とも友好的な関係を築いて、今後の「世界間交流」について
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ