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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
憤慨するあたしは、彼女を殴る
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神にするの」
そうして彼女は、またもや御札を取り出し呼び出そうとする。
「でも、今日は出血大サービス。たくさん呼ぶね。」
「させるかッ!!」
あたしと大和さん、式神を出させるものかと妨害しようとするが
「おっといけませぬ。」
道満に阻まれる。
「どけッ!」
「真誉殿は陰陽術を教えてからというものめきめきと頭角を現し始めまして、今では式神の使役もほれご覧の通り。」
「そんなの聞いちゃいないんだよ!!」
蹴り飛ばす。
同時に大和さんはその鉄の塊みたいな鞘に刀をしまい、鈍器と化したそれで道満をぶっ叩く。
「止めましょう!」
「はい…!なにかこの気配…とても嫌な予感がします…!!」
武蔵さんや香子もまた、この事態を止めるべく動き出す。
周囲の幽霊を蹴散らしながら、こちらに向かうも
「急急如律令…
『
姦姦蛇螺
(
かんかんだら
)
』。」
大和さんの一撃、あたしの蹴り。
道満に命中する瞬間、それらが何かに阻まれる。
「これは…!!」
鱗。
太く、長く、鱗に覆われたそれはまるで蛇の身体。
「何…こいつ…!」
現れたソレは、蛇ではない。
下半身は蛇そのもの、上半身は人間。
長い舌をだらりと垂らし、六本の手からは長い爪が伸びている。
さながらラミア。
長い髪から覗くその目には明らかな殺意が籠っており、あたし達を睨み付ける。
「ネット?掲示板?なんか噂から広まったんだって。それが神秘と結びついて架空の存在が実体化した姿。すごく強いよ!」
「拙僧も手伝いましたが、いやぁ中々骨が折れました。まぁその分、良い働きを見せてくれましょう。」
姦姦蛇螺。
確か、そう言ったよね…?
あたしだって聞いたことがある。
読み物が好きだったんだ。ネットだって少し覗いて見たことがある。
人の悪意によって殺された巫女の成れの果て。
強力な呪いを備えた、おぞましき怪異。
「こいつ…神霊の類か?」
「一応。」
「そうか…。」
まったく…
なんてものを呼び出してくれたんだ…!!
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