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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
憤慨するあたしは、彼女を殴る
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きの事実を聞かされた。
どう見てもあの顔は30をゆうに過ぎている。
そう思ったのだけど実年齢はまさかの21歳。
大人っぽく見える…というかこれまた随分と老け顔だ。

「腹違いでもなんでもなく、同じ母親からあんなにかけ離れたものが産まれるんだね…。」
「それに関しては、北斎様もそう仰ってました。」

そう呟き、今回のまとめを再び書き始める。

で、その舞なのだけれど…

「ところで探偵さんは?」

少し大変なことを起こしてしまっている。

「…いいえ、まだ彼は」
「そっか。」

あたしの問いに香子は首を横に振る。
探偵、あの一 誠がどうなったか、
そして舞が何をやらかしたのかというと…

いや、舞がやらかした…ではなくただ単に探偵の自滅とでも言うべきなのか…。





同時刻。
三笠記念艦にある病院エリア。
そこのとある一室に、探偵はいた。


「…。」

薄目を開けると、知らない天井。
腕には点滴。耳に聞こえるのは心電図のリズミカルな音。

「目が、覚めたんだな。」

そんな目覚めた彼に声をかけたのはここの医者ではなく、ホテル街『オーシャンビュー』からやってきた武田広海さんだ。

心理学を学んでおり、探偵との面識もあるため療養するなら自分達がと探偵の心を治す役割を買って出たのだ。

後ろには彼のサーヴァントもとい妻のマリー・アントワネットと、探偵の相棒でもある刑部姫が心配そうな面持ちで見守っている。

別にここの職員では無いので2人してナース服を着る必要はない。

「広海さん…俺…。」
「どうした?」
「おれ…何か、長い夢を見てた気がするんですよ…。」
「そっか…長い、夢か。そうだな。」

三笠防衛戦の後日。
探偵は精神崩壊を起こした。
別に戦争のせいでPTSDになったとか、人の死がトラウマになったとかそんな大層なものじゃない。

その実は

「現実は…受け止められるか?」
「…ええ、まぁ。」
「そうか…なら落ち着いて聞いて欲しい。探偵さん。あなたが前々から恋をしていたクズシロマキ…もとい葛城舞さんに関してだが…。」
「…!!」

葛城舞。
その名前を聞いた瞬間、探偵の目がカッと見開かれる。

「あ…あ…ああ…!!ああああああ!!!!」
「まだダメだったか…!!探偵さん!!落ち着いて!気をしっかり持って!!探偵さん!!」

バイタルは急上昇。心音も早くなり、探偵はパニック症状を引き起こしている。

「まーちゃん!!!姫だよ!!姫!分かる!?まーちゃんの大好きな姫!!」
「おれは…おれは…!ちんこ生えた男に欲情なんかして…!!」
「探偵さん!!ダメだ!!マリー!鎮静剤を!」


暴れようとする探偵を止める
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