第22話
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襲撃したその”メルキオル”、だったかしら。メルキオルとの戦闘で彼を追い詰めたのだけど、メルキオルと並ぶかそれ以上と思われる戦闘能力の使い手達に介入された事で相手の撤退を許してしまったのよ。」
「ええっ!?」
「あのアイーダさん達でも敵わなかったメルキオルを一人で追い詰めるなんて、マルティーナさんは相当な使い手の戦士なのですね……!」
「その話も気になるが、奴以外にも”アルマータ”の幹部らしき連中も今回の件に関わって――――――いや、このラングポートに潜んでいる可能性が高いという話の方が気になるな。メルキオルの援軍に現れたその連中の事について、何か気づいた特徴等はあるか?」
マルティーナが一人でメルキオルを追い詰めたという話を聞いたアニエスは驚きの表情で声を上げ、フェリは真剣な表情でマルティーナを見つめ、ヴァンは新たな気になる情報を訊ねた。
「援軍に現れたのは二人で、一人は弾丸の代わりに金属製の矢を撃つ珍しい銃を使っていた女性よ。」
「弾丸の代わりに金属製の矢を撃つ銃――――――もしかして、短針銃か?もう一人の方は?」
「もう一人の方は手甲を武器としてしている大男だったわ。鍛え上げられた肉体である事もそうだけど、動きから察するに元はどこかの国の軍人だと思うわ。」
「もう一人の方は軍隊上がりの格闘術の使い手か………」
新たなアルマータの幹部と思われる人物達の事を知ったヴァンはふとアーロンの仲間達の遺体の損傷について思い出した。
「ヴァンさん、もしかして……」
「フェリも気づいたか。」
「え……二人は一体何に気づいたのですか?」
ヴァン同様フェリも気づき、二人の会話が気になったアニエスは戸惑いの表情で訊ねた。
「アーロンの仲間達を実際に殺った連中はもしかしたら、このラングポートに潜んでいるメルキオル以外の”アルマータ”の幹部であるという事だ。」
「今聞いたマルティーナさんとの戦闘でメルキオルの援軍に現れたというアルマータの幹部達の得物や戦闘方法でしたら、殺されたアーロンさんの仲間の人達の遺体の損傷具合にも納得がいくのです。」
「それは………そういえば、マルティーナさん。その花束はもしかして………」
二人の話を聞いたアニエスは不安そうな表情を浮かべた後マルティーナが手に持っている花束に気づいた後マルティーナの目的を察した。
「ええ、アーロンの大切な友人達だったから、せめてもの手向けにね。――――――そろそろ行ってもいいかしら?」
「ああ。アーロンがもし家に帰って来たり、アンタの所に顔を見せに来たりしたら連絡してもらいたいんだが……連絡先を教えてもらってもいいか?」
「そういえば、連絡先はまだ交換していなかったわね、――――
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