第六十三話 過ちを犯した神霊その二
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「言えるが」
「その頃からやな」
「そのことにや」
「ウォーレンさんも貢献してるな」
「多大なな」
そう言っていいまでにというのだ。
「そうした人でもあるんや」
「日系人を迫害してか」
「そや」
「アメリカにはこうした話もあるんや」
メルヴィルは複雑な表情で述べた。
「フォレスト大佐とも戦うけどな」
「今度な」
「この神霊さんもな」
彼もというのだ。
「あのクー=クラックス=クランの創始者やった」
「悪名高いあそこやな」
羅はその組織の名前を聞いて嫌そうに言った、白人至上主義団体としてその悪名は世界に轟いているのだ。
「それの創始者か」
「起きた世界の合衆国にはまだあるわ」
メルヴィルも嫌そうに話した。
「残念ながらな」
「そうらしいな」
「ああ、知ってたか」
「聞いてるだけやけどな」
起きた世界のそのことはというのだ。
「そうらしいな」
「それでそのクランのや」
「創始者やな」
「しかし後にな」
クランの創始者でありながらというのだ。
「白人と黒人の融和を唱える様になったんや」
「全くちゃうな」
「元々立派な軍人さんで」
騎兵隊を用いた軍事理論を発表したりもしている、理知的な人物であったのだ。
「それでクランが狂暴化してきてな」
「離れたんか」
「何でもアフリカ系の人等が調子に乗ってると思って」
南北戦争以後だ。
「それで驚かせて懲らしめる」
「それ位の考えやってんな」
「そやから暴力的な行為を見て」
自分が創設した組織のだ。
「それでや」
「離れてか」
「最後はな」
「融和を言うたんやな」
「その演説を多くのアフリカ系の人の前でやって」
別にアフリカ系でも通学や企業の経営、集会は禁じられていなかった。差別されていても彼等はアメリカ市民でありそこはネイティブと違っていたのだ。
「拍手を浴びたんや」
「そやったか」
「それがこの人の人生の最後の一幕で」
そうなってというのだ。
「すぐに静かに息を引き取ったわ」
「そうやねんな」
「アメリカはこうした話があるんや」
メルヴィルは複雑な表情で話した。
「差別に関わった人がな」
「人権を護る様になる」
「そうなることもな」
「ある国か」
「複雑なことにな」
「ウォーレンさんも然りか」
施も複雑な顔で述べた。
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