第六十三話 過ちを犯した神霊その一
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第六十三話 過ちを犯した神霊
今度戦う神霊についてだ、中里は一九四〇年代のアメリカの都会を思わせる階の中を進みつつ言った。
「何か複雑やな」
「今度闘う神霊さんのことを思うとか」
「ああ、アメリカの英雄さん達でな」
芥川はこう中里に話した。
「アール=ウォーレンさんおるな」
「ダニエル=イノウエさんにキング牧師もな」
「マルコムエックスさんもいてはるな」
「そや」
「今回は差別やな」
「それと戦った神霊さん達が相手や」
そうだというのだ。
「アメリカのな」
「それでウォーレンさんもおるな」
「それがやな」
「ああ、複雑やな」
芥川に眉を曇らせて話した。
「どうも」
「あの人は日系人の収容に関わってるしな」
「それも積極的にな」
「そのことやな」
トウェインが言ってきた、彼も麻友を曇らせている。
「あの人二次大戦の時こっちの知事さんやったんや」
「カルフォルニアのな」
「その時日系人の人等収容所に放り込まれたわ」
「敵国にルーツがあるって言われてな」
「そこに差別があったことは事実や」
トウェインは断言した。
「二次大戦の敵やったドイツ系やイタリア系でもな」
「拘留された人おったな」
「そやけどな」
「僅かな数でな」
「西海岸の日系人はな」
アメリカのだ。
「およそ十万おったが」
「全員収容所送りにしたな」
「戦争が終わるまでな」
「それにあの人は関わってたな」
「積極的にな」
中里に苦い顔で話した。
「ジャップとまで罵倒してな」
「そこにもう偏見が出てるな」
「何もせんのは攻撃命令を待ってるからやって言うてな」
「日本からのやな」
「これは悪魔の証明や」
こう言っていいものだというのだ。
「そんなん証明出来るか」
「暴れんのは日本からの命令待ってるからって」
「これを元々弁護士でや」
苦学してそうなった。
「州で法律関係の高官までやった」
「そんな人が言うたな」
「他にもどんな手段使ってもカルフォルニアに帰させんとも言った」
日系人達をだ。
「そう言うてたわ」
「そやったな」
「しかしな」
トウェインはこうも言った。
「連邦政府の最高裁判所長官になるとな」
「アフリカ系の権利を保証したな」
「キング牧師達の最高の味方になってくれた」
法律それも裁判所という立場でだ。
「分離は違憲って言うてな7」
「白人と黒人の分離を止めさせたな」
「法律家それもや」
「最高裁判所の長官として」
「司法のトップとしてな」
その立場からというのだ。
「そうしたんや」
「それはええことやな」
「ああ、キング牧師もマルコムエックスさんも活躍してな」
「アフリカ系の権利は拡大され
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