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第百二十三話 足が速いとその一

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                第百二十三話  足が速いと
 鳴海にだ、かな恵は学校の帰りの電車の中で言われた。二人で下校デートを楽しんでいる最中のことで二人並んで座っている。
「部活対抗リレーに出ることになったよ」
「そうなの」
「ああ、二番目でな」
「そうなったのね」
「足が速くてな」 
 それでとだ、成海はさらに話した。
「部長さんに言われてな」
「決まったの」
「他の先輩の人達もいいなってなってな」
「そうだったのね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「俺リレーに出るからな」
「応援するわね」
 かな恵はすぐに言った。
「そうするわね」
「宜しくな、足が速いってな」
「その分得よね」
「ラグビーでもな」
「そうよね」
「ただラグビーで一番大事なのは」 
 鳴海はそれはと話した。
「体力なんだよな」
「足が速いよりもなの」
「体力がないとな」 
 さもないと、というのだ。
「駄目なんだよ」
「ラグビーって体力使うから」
「物凄くな」
「ずっと走ってぶつかって」
「あんな激しいスポーツないからな」
 だからだというのだ。
「それでだよ」
「まずは体力なのね」
「それで身体が丈夫でないとな」
「いつもぶつかり合うから」
「それでだよ」
 そうしたスポーツだからだというのだ。
「丈夫さもな」
「必要なのね」
「そうなんだよ」
 こうかな恵に話した。
「俺その二つがまだだってな」
「言われてるの」
「体格の関係だってな」
 微妙な顔になって言うのだった。
「それで大きくなれってな」
「言われてて。そういえば」
 言われてだ、かな恵も応えた。
「鳴海ち最近前以上に食べるわね」
「結構意識してな」
「食べてるのね」
「やっぱり食わないとな」
 さもないと、というのだ。
「大きくならないよな」
「食べてよく運動したら」
 かな恵はそうしたらと答えた。
「確かにね」
「身体大きくなるよな」
「ええ」
 その通りだと答えた。
「やっぱりね」
「だからな」
「最近意識してなのね」
「食ってるんだよ、俺実際に体格ないからな」
「今身長どれ位?」
「百七十だよ」
 正直な声で答えた。
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