第十話 部活でその七
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声を急に小さくさせてだ、そのうえでかな恵にこう囁いた。
「私達もね」
「想像しますね」
「するでしょ」
「そう言われますと」
かな恵も否定しなかった。
「男の子程じゃなくても」
「女の子もね」
「人間ですからね」
「大声で言えないけれどね」
「お話出来ないですね」
「そうしたお話だけれど」
それでもというのだ。
「そうでしょ」
「はい、本当に」
「だからね」
それでというのだ。
「あまりね」
「想像することについては」
「誰も何も言えないわ」
「許嫁さんなら余計にですね」
「それに幾ら想像して自分でね」
「そうしてもですね」
「罪じゃないでしょ」
こう言うのだった。
「というかそれで変なことしないならね」
「それに越したことないですね」
「そうよね」
「別にそれですっきりして終わればいいですね」
「それをとやかく言う人はね」
そうした人間も世の中にはいると思われるのでだ、夜空も言った。世の中実に色々な人間がいて中にはどうにもならない愚者もいるのだ。
「馬鹿でしょ」
「そうですよね」
かな恵も否定しなかった。
「昔のキリスト教なんか厳しかったそうで」
「そうなのね」
「私の中学時代のお友達今普通科でアルゼンチンの娘いますが」
「中南米ってカトリックよね」
「それが滅茶苦茶強いんですよね」
ただしカトリックに批判的な宗派も大きな力を持っている。
「それで聞きますが」
「禁欲的だったりするのね」
「ユダヤ教はさらに、って言ってました」
「ユダヤ教はまた極端よね」
「そうですよね」
「何でも紀元前の荒野の宗教で」
シオンの地はそうした場所であったのだ。
「全く余裕がなくて」
「ああした宗教になりましたね」
「そうらしいから」
だからだというのだ。
「ああしてね」
「物凄く禁欲的で」
「食べものでも他の生活でもそうで」
「あれするなこれするなで」
「そうしたことにもね」
「禁欲的で」
「キリスト教ってユダヤ教の流れだから」
それ故にというのだ。
「禁欲的なところもあって」
「それで、ですね」
「そうしたことにも厳しい時代があって」
「想像してですね」
「そうしたことすることについてもね」
「厳しかったんですか」
「そうじゃないかしら。どうなの?」
「そんなこと言ってました」
実際にとだ、かな恵は答えた。
「その娘は」
「そうなのね。やっぱりって感じよ」
「そうですか」
「別に禁欲的でなくてもいいでしょ」
「我慢しても意味ないですか」
「犯罪は駄目でも」
これは論外でもというのだ。
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