第八幕その八
[8]前話 [2]次話
「オズの国にはね」
「そうなのね」
「最初からそうだったけれど」
「今は特によね」
「見付けることもほぼ無理だし」
「宇宙から見ても」
「それでもね」
そうしてもというのです。
「私達が魔法でそうしたから」
「オズマとグリンダと魔法使いさんで」
「皆でね」
「だからこの海は外の世界とつながっていても」
「出入りはね」
「出来ないのね」
「海やお空からはね」
そちらからはというのです。
「だから外の世界を行き来できる渦を作っているのよ」
「そうそう、あの渦だね」
トトはオズマのその言葉に応えました、今も皆で海を見ています、海はとても奇麗で青と銀色できらきらとしています。
「八条学園にもある」
「私達もあの渦を使ってね」
恵梨香はトトにお話しました。
「いつも行き来しているしね」
「学園の時計塔のところにあるね」
カルロスは笑顔で言いました。
「あの渦からね」
「あの渦を見付けられたのは運ね」
ナターシャも微笑んで言います。
「神様が与えてくれた」
「あの時若しかかしさんについていかなかったら」
ジョージはしみじみと思いました。
「僕達は今ここにいないね」
「オズの国があることは知っていても」
神宝はそれでもとお話しました。
「行き来なんてとても出来なかったよ」
「そうだよね、オズの国にはね」
トトは五人に応えて言いました。
「本当にね」
「あの渦でないとよね」
「簡単には行き来出来ないね」
「そしてその渦がある場所も」
「かなり運がよくないと見付けられないし」
「オズの国に行けないね」
「そうなんだよね、いや海やお空は同じでも」
それでもと言うトトでした。
「そこに行くことは簡単じゃないんだね」
「それは何処でもかな」
おじさんはトトの言葉を聞いて言いました。
「その場所に縁がないと」
「神様の導きかな」
「運とも言うか。そうしたものがないと」
さもないと、というのです。
「そう簡単にはね」
「行けないんだね」
「そう思うよ、そしてわし等はオズの国に来られて」
「そして今ここにだね」
「いてこんな奇麗な海を見られるのも」
「縁で運だね」
「そう思うよ」
こうトトに言うのでした。
「本当に」
「そうなんだね」
「全く以て。ただ」
「ただ?」
「この運を神様に感謝して」
そうしてというのです。
「ドロシーにもね」
「感謝しているんだね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「心からね」
「だから家族だからね」
ドロシーはおじさんの今のお言葉に笑って返しました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ