第八話 人の姿でその十
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「実は」
「そうなんだ」
こう言うのだった。
「いつも皆と一緒にいるから」
「そう言われると俺もだ」
虹野もそれはと応えた。
「こうして皆と一緒にいる様になってな」
「トッキュウジャーとしてだね」
「それでいつも楽しくなったけれどな」
そうであるがというのだ。
「一人だとな」
「寂しいよね」
「そして辛い」
「そうだよね」
「だがドクターマンはな」
今探している彼はというのだ。
「本当にな」
「孤独だったね」
「誰よりもな」
それこそというのだ。
「孤独でな」
「その中で死んだと思われていたね」
「そうなるとな」
「今も孤独かな」
「そうだろうな」
「若しかしたら」
ここで夏目はこんなことを言った。
「身寄りのないお年寄りになってるのかしら」
「それかなり孤独そうだね」
渡嘉敷は夏目のその話を聞いて思った。
「本当に」
「そうよね」
「うん、聞いているだけでね」
まさにというのだ。
「これ以上はない位に」
「孤独よね」
「そうだよね」
「その孤独の中にずっといるのかしら」
「記憶なくても辛いね」
「そう考えたら」
夏目は実際に考える顔になって言った。
「悲しいわね」
「正直やったことは許せないこともあるけれどな」
野々村はギアの首領として彼がしてきたことを話した、その中で彼が多くの災厄をもたらしたことも事実であるのだ。
「しかしな」
「何か可哀想よね」
「そうだな」
泉に対して頷いて答えた。
「本当にな」
「そうよね」
「そして今何処かでか」
「この日本の」
「暮らしているか」
「そうしているのね」
「せめてな」
野々村はいささかドクターマンに感情移入して言った。
「一人でなくな」
「誰かと一緒にいてね」
「暮らしていたらいいな」
「そうよね」
「そうなっているとは思えないけれどな」
それでもというのだ。
「願うな」
「そうなるわね」
「ああ、そして俺達は」
「ドクターマン探していきましょう」
「皆でな」
こうした話をしつつだ、彼等もドクターマンを探していた。だが車両に帰るとそこにゴーバスターズの面々がいて言われた。
「捜索場所は拡大される」
「そうなんだ」
「東京だけでなくだ」
岩崎が答えた。
「日本全体をな」
「探すんだ」
「街だけじゃなくてな」
桜田も言ってきた。
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