第二章
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「あの組織も」
「さっき言ったね。やはりかつて財団という組織があった」
「ああ」
「それと。財団エックスは」
「関連していることもか」
「そうだ。だから」
フィリップもキューブを操るその手を止めてだ。そのうえで左に話していた。
「若しかするとね」
「その財団のトップはわかるか」
左は今度はこのことを尋ねた。無論フィリップにだ。
「誰だったんだ、一体」
「その多くの悪の頂点だった存在みたいだね」
「その悪のか」
「そう、それが何かは僕もまだ調べきれていないけれど」
「相当な奴だな」
何者かはわからなくともだ。左は直感によりこのことはわかったのだった。
「どうやらな」
「そうだね。それは間違いないね」
そんな話を二人でしていた。そこにだった。
スーツの端整な男が事務所に入って来た。彼は。
「君は」
「馬鹿な、何故来たんだ」
フィリップも声を少し驚かせ左は思わず席を立った。そうしてそのうえでそのスーツの端整な男に対して問うたのだった。その彼は。
二人がよく知る人物だった。左が彼の名を呼んだ。
「薗咲霧彦」
「何故君が」
「生きていたかだね」
その彼の方から言ってきた。あの妙に格好つけた物腰でだ。
「それだね」
「そうだ、何故だ」
「君は間違いなくあの時に」
「そう、私はあの時一度死んだ」
それは霧彦本人も認めることだった。
「確かに」
「それで何故生きている」
「そしてここに」
「生きている理由は今は言わないでおこうか」
その格好つけた、それでいて何処か様になっている笑みでの言葉だった。
「ある存在に生き返らせられたとだけ」
「まさか」
「それは」
「君達も察してはいるようだな」
霧彦は二人の言葉が動いたのを見てそのことには気付いた。
「生き返らせられた理由は言える」
「それは何故だ」
「どうしてそれが」
「私が人の道を踏み外さずあくまでこの街を愛していたからだと」
彼はこう二人に話した。
「だからだと言われたよ」
「その存在にか」
「それで君は」
「もう園咲家はなくなったね」
霧彦はここでこのことを言ってきた。
「もうあの屋敷もなくなったのは見たよ」
「ああ、そうだ。園咲家の人間はもう誰もな」
「僕を除いてね」
「そうか。冴子もね」
霧彦の顔に一瞬だが振り返るものが見えた。だがそれは一瞬で。すぐに元の表情に戻りだ。あらためて二人に対して言ってきたのだった。
「それでここに来た理由だけれど」
「依頼か」
「それだね」
「そう、私の依頼はただ一つだ」
こう言ってからであった。その彼の依頼を話すのだった。
「園咲家は確かになくなった。だが」
「だが?」
「だがっていうと」
「私はここに来る前に見た。燃え落ちた
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