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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
やんごとなくあたしは、助ける
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投げかけられようが、ただひたすら人々の病気と怪我を治すことだけを考えた男とそのサーヴァントの話だ。」
そうして大和さんは話を始める。
その記さなきゃいけない人の話を。
?
「なんで…なんでよぉ…っ!」
結果から言おう。
舞が泣いた。
「見返りなど一切求めず、彼はただひたすら、皆の命を救う医者になろうとした。そうですね?」
「ああ。」
香子も泣いた。
大和さんから聞いた話はそれはそれはもう献身的に頑張ったあるマスターのお話だ。
世界崩壊前は医者になることを目指し勉学に励んではいたが、中々結果は出ず医大には何度も落ちている。
そんな中で世界が崩壊。ひょんな事からサーヴァント、妖精騎士ガウェインと出会い彼の長く苦しい旅が始まる
とにかく彼は頑張った。
これ以上人を死なせないため。間違った医療知識を広めないため。
サーヴァントを持っていた為あの『人間同盟』から目の敵にされることもあった。
その医療知識は間違いだと声を大にするも、悪魔使いが何を言うかと石を投げられることも多々あった。
親友がいつのまにか財団におり、仲の良かった彼と命のやり取りをするようになった。
実はガウェインは彼のサーヴァントではなく、元々は親友のモノであったこと。
その為逆恨みに近い形で殺されそうになったこと。
レジスタンスにて、医者として活躍したこと。
紆余曲折あり、こうした戦いの喧騒から程遠いどこかへ旅立ったこと。
しかしその代償は、あまりにも大きかったこと。
そして彼は、きっとサーヴァントと一緒に平和に暮らしているであろうと大和さんが願っていること。
「あいつは…自己犠牲の塊だった。自分が具合が悪かろうが、第一に他人のことを気にする男だったよ。」
何日か飯を食わず、その度ガウェインに怒られていたなと大和さんはどこか懐かしむように話す。
医者の不養生なんて言葉があるけど、どうやらホントらしい。
「本当に…幸せに暮らせてるのかな…?」
「サァ、どうだろうナ…。」
話を聞くに、五体満足では無い。
腕と足は片方ずつもがれ、目は潰されて隻眼だと聞いた。
というより、そもそもちゃんと助かったのかもすら分からないとのこと。
大和さんと武蔵さんの2人と苦楽を共にしてきた愛馬を託し、どこか安全な所で平和に暮らせと見送ったきり分からないという。
「そうしたのは、彼の親友…今は葛城財団に所属している親友だ。」
大和さんはゆっくりと立ち上がる。
「こんな事がもう二度とあってはならない。そうだろう?」
「これから葛城財団がドンパチやる?いいじゃない。喜んで横槍入れて邪魔してやりましょ。」
隣の武蔵さんも嬉々
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