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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
やんごとなくあたしは、助ける
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財団に目をつけられ殺されそうになったり、
実働部隊のツートップに追いかけ回されたり、
ある時は武蔵が『カミ』と戦ったり、
軍神と戦ったり、最強の竜種と共闘したり、
共にレジスタンスに身を置いていた時期があったり、配達仕事の傍ら財団支部を潰して回ったり、

「京都にて人と鬼の間の不信感を募らせ、争わせようとした陰陽師もいた。」
「陰陽師…。」
「覚えてる覚えてる。マスターも変わった子だったわね。なんかのキャラクターのぬいぐるみをずっと抱えてて、たまに話しかけたりしてるちょっとアレな子。名前は確か…えーっと…。」
「……。」

話の途中、思い当たる人物が出てきた。

「どうしたの葵ちゃん?」
「森川…真誉。」
「あ、そうそう!確かそんな名前の子!もしかして知り合いだったりする?」

知り合いというか、殺しあった関係というか…

「まぁここでも結構やばめな事しようとしてて…。」
「どういったものだ?」
「コンサート会場を生きた屍だらけにしようとしたとか?」

あの時のことはしっかり覚えてる。
そしてその時言った彼女自身の目的も。

桜ちゃんになる。

ただそれだけ。
それだけの為に彼女は多くの人々を犠牲にし、さらには京の都すら滅茶苦茶にしようとした。
具体性も、主体性もない。
凄くあやふやで、しっかりとしていない漠然とした理由。

どれだけ経っても、大和さん武蔵さんから京都での彼女のことを聞いても意図は分からなかった。



ともかく、彼と武蔵の話を聞いていると、いまさっき北斎さんの言った言葉その通りだ。
それに

「色々聞きたい。もうその2人の半生なぞってくだけですごいの書けそう。」
「…大したものじゃない。」

と、大和さんは謙遜するものの、おおかた普通の人間が歩める人生じゃない。

「俺よりもずっと苦労している人はいる。」

ここまでの経緯をそうそう超える人はいないと思うけど…。

「人とサーヴァントの生き様を伝記にしていると言っていたな。」
「まぁ…そうですけど。」
「なら…記すべき男がいる。その男と過酷な運命を共にしたサーヴァントがいる。手元に書くものはあるか?」

そう言い、大和さんはメモをとるように指示を出す。


「俺は彼のことは全て知らない。だが、俺なんかよりもずっと価値のある人間だ。彼の生き様を記して欲しい。」
「は、はぁ…。」

この人がそこまで教えたい人とはなんなのか、

「まぁ葵ちゃん、聞いてみて。大和くんがここまで言うことないから。それに、あの子のことは聞いて後悔することでもないと思う。」

と、武蔵さんからも薦められた。
あとちゃんはいらない。

「じゃあ話そう。どれだけ石を投げられようが、無慈悲な言葉を
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