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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
やんごとなくあたしは、助ける
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にご飯は式神ゴーレムに作らせているのだけれど、今回は舞があるものでパパっと作ってくれた。
この子、なんでも出来るけどまさかお料理上も上手だなんて思わなかった。

なんだろう…こう…ここまで大差つけられてると…女として負けてるというか、いや舞は男だけど…。

「ふーん…。」

と、武蔵は舞をジロジロと見る。
無理もない。
こんな綺麗な顔だし着物着崩して浮世離れした見た目なんだ。
メイヴのように黄金律(体)のスキルを備えた何かしらのサーヴァントと思われても仕方ない。

「令呪が…あるのね。」
「おうとも。おれがさあばんとだヨ。」

と、肩を組んで自慢気な北斎先生。
恐らく武蔵もまた錯覚≠オている。
あたしと同じように、間違えてるだろう。

「武蔵。」

そんな時、武蔵の隣におりずっと黙っていた男が口を開いた。

「何?」
「男だぞ。」
「男?」
「北斎のマスターだ。」

驚いた。
この武蔵のマスター、舞が男であることを1発で見抜いた。
そう言われた武蔵は舞を2度見し、「え…男の子…?」と動揺しながら聞くと舞は普通に頷いた。

「男…?男?えぇ…?」

終始落ち着いているマスターとは対照的に、武蔵は混乱している。

「でも…なんで?どうして?」
「舞はこの格好が一番似合うんだ。自分らしさを押し出して何が悪いんだい?」
「…。」

やっぱり彼の性別を知るとサーヴァントでも思考がフリーズするらしい。
武蔵さんはしばらく硬直していて動かなかった。

「ところでそこの美丈夫さんは?見たところ武蔵殿のますたあだろう?」
「…俺か?」
「アンタ以外に誰がいんだい?」

自分を指さす銀髪の男。
舞も負けてはいないが、この男もまぁまぁ浮世離れした見た目だ。
しゅっと整った顔立ち、銀髪紅眼。180は超えているだろう長身。中高生が大好きそうな真っ黒ロングコートに腰には武器…その鉄の塊は鈍器だろうか?
サーヴァントと言っても信じてしまいそうな見た目だ。

「竜胆大和だ。その通り武蔵のマスターをやらせてもらってる。」
「それは…見たところ地毛かい?」
「ああ。昔は黒かったが紆余曲折あってこんなふうになった。」
「目も紅いが…とするとこいつもからこん≠使ってるわけじゃないんだナ?」
「ああ。」

と、気になることを北斎さんはズバズバ聞いていく。





そうして分かったことが。

「事実は小説よりも奇なり、なんて言葉がある。まさにそんな言葉を体現したみたいな男サ。」

死にかけた彼は今の姿になり復活したこと。
そこから武蔵と出会い、武蔵のマスターに相応しくなるため強くなることを選び、彼女から剣術を仕込まれたこと。

それからは戦いの日々。

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