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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
やんごとなくあたしは、助ける
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ば嘘になる。
でも、彼の頷き方、そしてその真っ直ぐな瞳は本気の眼差し。
何がなんでも殺すという気持ちが見て取れた。
その点に関しては、彼はすごいと思う。
「家族とは綺麗さっぱり縁も切っちゃったし、あいつは兄弟なんかじゃないよ。」
家族と縁を切った。
そのことに関してもすごい気になるけど、あれやこれや根掘り葉掘り昔の話は聞かない方がいいんだろう。
誰にだって、掘り返されたくない忌み嫌う過去があるんだし。
「あたしもやるよ。あいつらに嫌がらせしてやる。財団が怖くて避難なんかしてらんないし。」
「嫌がらせかぁ…いいかも。」
そんな私の答えに舞は少し笑う。
「あいつはね、プライドがものすごく高いんだ。だから少しでも顔に泥を塗るようなことをすれば顔を真っ赤にしてすぐ怒るよ。」
「へぇ…」
しかし、彼の兄というと少し気になることもある。
舞は、北斎先生がべた褒めするようにかなりの美人だ。
あたしだって女だって信じかけてたくらい綺麗だ。
それの兄…というとやはり気になってくる。
財団代表の顔は見たことは無い。
やはり…弟と同じく美形なのだろうか?
兄弟は似るもの。
くだらないけどやはり気になってしまう
。
「おうい。」
その時だ。
「…お栄ちゃん?」
「おうい、ちょいと来とくれー。」
今外で喫煙中の北斎先生の声だ。
図書館の出入口からあたし達を呼んでいる。
「なんだろ…。」
とりあえず行ってみるとそこには
「腹が減ったってヨ。なんか食わしてくれってサ。」
見たこともない2人組。
いや…マスターとサーヴァントが黒い大きなバイクに寄りかかるようにしてそこにいた。
?
「いやー助かりました!この辺りのお店みーんな閉まっちゃっててね!」
「まぁ…避難命令出てますし。」
この2人、ほんの数日前ここ神奈川あたりに来たそうだ。
その前にはイルカショーの前でドンパチやって管理人に怒られたり、葛城財団の引き連れた謎のロボット部隊と激闘を繰り広げたりしたと言ってはいたけど…。
「お店はどこも閉まってるし、ホテルとかの宿泊施設もやってなくて、ここ数日野宿でご飯はカップうどんばかりで…。」
「そう…なんですね。」(お湯使えてるだけ有難いのでは…?)
と、ここに来てからの苦労話をしながら数日ぶりのまともなご飯を頂いてるのはサーヴァントの宮本武蔵だ。
「ところで、ご飯頂いてからでアレなんだけど名前は…?」
「葵…源葵です。」
「へぇ…葵ちゃんね。」
「ご馳走様でした。」と言い、握手を求められた。
とりあえず差し出された手を握り返すあたし。
「そっちのご飯作ってくれた人も…」
「あ、舞です。」
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