第七百四十三話 十支族の謎その十一
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「やっぱりね」
「人気ないんだ」
「そうなのね」
「ダントツでね」
連合の中でというのだ。
「そうなのよ」
「それはわかるよ」
セドリックにしてもだ。
「ユダヤ教だとね」
「どうしてもそうなるわね」
「それが国教だと」
そうであるならというのだ。
「娯楽もね」
「なくてね」
「それじゃあ観光もね」
「ただ働いて禁欲的に生きて」
そうしてというのだ。
「それであるかしら」
「ないよね」
「どうにも」
「本当にあらゆる娯楽をね」
「否定するんだ」
「ユダヤ教って」
「テレビゲームだってね」
この時代でもあり触れた娯楽でもというのだ。
「もっと言えばボードゲームだって」
「駄目って言うんだ」
「そうなの」
「そうよ、トランプをしても」
これすらというのだ。
「堕落だって言う人がいるのよ」
「それでお酒もだよね」
「紅茶やコーヒーすらよ」
セドリックに真顔で答えた。
「もうね」
「駄目って言うんだ」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「レジャー施設だってね」
「堕落だね」
「遊ぶこと自体がね」
「それじゃあだね」
「スポーツはいいけれど」
アンはそれでもと話した。
「スポーツ選手が遊んでも」
「駄目なんだ」
「お国柄からしてそうなのね」
「お金を無駄遣いすることもね」
「経済回らなくない?」
「浪費は禁物にしても」
「もうあれやこれやと」
そうした風にというのだ。
「言って」
「それで実際にだね」
「禁止になるのね」
「そうなるお国柄だから」
それでというのだ。
「観光客も来ないのよ」
「成程ね」
「それは辛いわね」
「というか観光産業は」
それはというのだ。
「ないに等しいわよ」
「そうした国も珍しいわね」
ウェンディはここまで聞いてどうにもという顔で述べた。
「宗教国家はあっても」
「それでこの学園にもあるのよ」
「あるっていうと?」
「イスラエルがね」
まさに自分達の国がというのだ。
「そうなのよ」
「そうなのね」
「何なら案内するけれど」
ウェンディだけでなくセドリックにも申し出た。
「どうかしら」
「それじゃあね」
「宜しくお願いするわ」
二人も応えた、そうしてだった。
アンはセドリックとウェンディを学園内のある場所に案内した、それは二人もクラスの誰もが知らない場所だった。
十支族の謎 完
2023・12・9
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