第七百四十三話 十支族の謎その八
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「白人のままなのよ、十二支族の間で」
「ずっとだね」
「やっていってるのね」
「ええ、ただ十支族の人達も」
長い間行方がわからず探し回った結果再会し迎え入れた彼等はというのだ。
「何でか白人多かったのよね」
「確か世界中に散ったんだよね」
セドリックはこのことを指摘した。
「十支族って」
「ええ、バビロン捕囚から戻ったら」
「いなくなっていて」
「それでずっと探していて」
「再会したら」
その十支族にだ。
「白人ばかりだったんだ」
「アジア系、黒人もいたけれど」
「少数だね」
「色々言われてたのよ」
アンは微妙な顔になって話した。
「十支族については」
「世界中に散ったから」
「日本人がそうとかね」
「そうも言われていたんだ」
「それで探し回って」
イスラエル建国からである。
「そうしてね」
「見付けたら」
「それがね」
まさにというのだ。
「何故かね」
「白人ばかりで」
「何かね」
アンはここでは小声で話した。
「白人至上主義がね」
「えっ、あったんだ」
「あんな迷信が」
「当時はね」
セドリックとウェンディに小声で話した、連合では貴族主義と共に唾棄されているエウロパの考えとして。
「それがあったらしくて」
「イスラエルにも」
「それでなの」
「だから十支族もね」
「白人が多かったんだ」
「そうだったの」
「名乗り出た人達も」
自らというのだ。
「白人ばかりで」
「それでだね」
「十支族の人達も白人で」
「十二支族に戻ったけれど」
古代ヘブライのそれにというのだ。
「人種はね」
「白人だね」
「そのままだね」
「確かにアジア系や黒人の血も入っているけれど」
それでもというのだ。
「けれどね」
「それでもだね」
「白人の血が濃いのね」
「もう殆どが」
この時代のイスラエル人の染色体を調べると、というのだ。
「白人のものなのよ」
「それじゃあね」
ウェンディはここまで聞いて言った。
「古代ヘブライ人とはね」
「かなり違ってるでしょ」
「そう言うしかないわね」
「はじまりはそうでも」
それでもというのだ。
「長い歳月を経てね」
「数千年の」
「特にディアスポラから」
「ローマ帝国に入って」
「その領内にね」
「それからなのね」
「どんどん白人になっていって」
そしてとだ、ウェンディに話した。
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