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第百二十二話 人間としての差別その十二

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「お城、松江城にね」
「それ本当のお話?」
「真相はわからないけれど」
 それでもというのだ。
「そうしたお話があるらしいの」
「そうなのね」
「お城にはそうしたお話よくあるわよね」
「幽霊とか妖怪とかね」
「大阪城にもあった?」
「出るって聞いたことあるわよ」
 妹に少し考える顔で答えた。
「幽霊がね」
「そうなのね」
「姫路にもあるでしょ」
「天守閣に妖怪のお姫様いるのよね」
「あと井戸でお菊井戸ってあるけれど」
「お菊さんよね」
「そう言われるしね」 
 これを播州皿屋敷という、実際にこの城では番町皿屋敷に酷似した話が伝えられているのだ。奇妙なことに。
「あるわよ」
「そうなのね」
「それで生贄って昔は世界中にあって」
「日本にもなのね」
「あったのよね、差別されてる人なんか」
「もってこいだったわね」
「三国志でも敵の密偵だった人処刑して」
 埋伏の毒の場面だ、周瑜が既に見破っていたのだ。
「生贄みたいに神様に捧げてるし」
「何処でもあって」
「もう捕虜とか差別されてる人は」
「なってたのね」
「どんどんね」
 そうだったというのだ。
「これがね」
「そうだったのね」
「そう思うと差別ってね」
「よくないわね」
「自分が生贄になるなんて」 
 理虹は中南米の心臓を取り出したりするそれを想像しつつ話した。
「もうね」
「嫌よね」
「天寿全うしたいでしょ」
「当たり前よ」 
 実加は即刻答えた。
「誰がそんな死に方したいのよ」
「人柱とかね」
「私毛利元就さん支持するわよ」
「あの人生贄は捧げなかったしね」
 奸悪無限と言われ実に多くの謀略で敵を消してきた、敵の城兵を助けると言って白から出させて皆殺しにしたことも一度ではない。尚織田信長はこうしたことはしておらず敵兵は降れば自分の兵に入れtいて敵将も最後の最後まで助命を言って降る様に勧めたことが多かった。
「あれでね」
「悪いことばかりしても」
「無茶苦茶悪かったのよね」 
 理虹も否定しなかった、その悪行は斎藤道三や松永久秀といった戦国時代でも有名な悪人達より酷かったかも知れない。
「これが」
「そうよね」
「広島の娘も言う位ね」
「地元よね」
「元々のね」
 毛利家は本来は安芸即ち広島県が領地であり江戸時代に周防と長門、今江言う山口県に移らさせられたのである。
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