第一章
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プロボクサーの本職
真鍋大吾はプロボクサーである、日々激しい汗を流しトレーニングに励み試合にも挑んでいる。いよいよ日本チャンピオンに挑戦しようとしているが。
彼の交際相手である工藤綾香の母である満里奈丸顔で垂れ目で大きな口を持ち黒髪を長く伸ばしセットさせた娘そっくりの外見の彼女は娘に尋ねた。二人共背は一五八位でスタイルは均整が取れたものである。
「大吾君ボクサーだけれど」
「それがどうかしたの?」
「それ本職?」
大学を卒業してOLをしている娘に自宅の中で尋ねた。
「やっぱりボクサーだとね」
「それだけで食べるにはっていうのね」
「辛いでしょ」
「それはね」
綾香もその通りだと答えた。
「その辺り私と違うわ」
「OLとはね」
「ええ、ただ定職には就いてるわよ」
娘は母に答えた。
「だからそのことはね」
「安心していいのね」
「やっぱり定職に就いてないとなのね」
「結婚考えてるでしょ」
綾香に真剣な顔で尋ねた。
「あんたも」
「だからこの前うちに来てもらったのよ」
「私とお父さんに紹介してくれたわね」
「そうよ、ただその時聞きそびれたから」
「本職のことを」
「知りたいのよ、定職に就いているっていうけれど」
それでもというのだ。
「何なの?お仕事」
「美術の先生なの」
即座にだ、綾香は答えた。
「高校のね」
「美術の?」
「そうなの」
「プロボクサーの人がなの」
「中学からボクシングしていてね」
それでというのだ。
「本職はそうなの」
「美術の先生なの」
「何でも芸術も身体を動かしていると」
即ちスポーツを行っていると、というのだ。
「いい汗かいてね」
「ストレス発散出来て」
「それでね」
そうなってというのだ。
「集中出来るそうなの」
「あの人そうしたタイプなのね」
「そう、それでね」
「美術の先生をしながら」
「ボクシングをしているの」
「そうなのね」
「それで油絵も」
芸術の話もだ、綾香は話した。
「描いてるの」
「どんな絵かしら。抽象画とか?」
「今度画廊で個展開いてもらうから行く?」
「場所は何処なの?」
「八条学園の先生だから」
世界的な企業グループである八条グループが経営しているこの学園のというのだ。
「系列の八条百貨店でね」
「開かれるの」
「そう、大阪店でね」
「じゃあ行ってみる?うち大阪にあるし」
「ええ、行ってみましょう」
こうした話をしてだった。
一家三人家の父親で工場の現場監督である大夢大柄で眼鏡をかけた天然パーマの優しい顔立ちの彼もだった。
一緒に彼の個展に行った、すると。
「これは面白いタッチだな」
「ヒロ=ヤマガタの流れね」
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