暁 〜小説投稿サイト〜
天敵はジステンバー
第二章

[8]前話 [2]次話
「狼は敵でな」
「悪魔みたいだったのね」
「童話でもそうだろ」
「赤頭巾ちゃんとかね」
「けれどな」 
 それがというのだ。
「日本だとな」
「完全に農耕社会だったから」
「だからな」
「狼は獣害を防いでくれるから」
「有り難い存在でな」
「それは変わらなかったのね」
「だから乱獲はな」
 これはというのだ。
「なくてな」
「他のことで」
「絶滅したって言われてた理由はな」
 これはというのだ。
「実はな」
「ジステンバーだったのね」
「これが流行してな」 
 海外から来た犬が持っていたという、開国から人だけでなく犬も入って来ていた故のことであるのだ。
「ニホンオオカミはな」
「絶滅したって言われてたのね」
「数が減ってな」
「そうなのね」
「それでな」
 夫はさらに話した。
「そうしたことを考えるとな」
「蚊は怖いわね」
「人間にだって怖いだろ」
「日本脳炎にもなるし」 
 だから学校で予防接種をしているのだ。
「マラリアだってね」
「あるからな」
「怖いわね」
「それで犬にもだよ」
 この生きものにもというのだ。
「怖いんだよ」
「そうよね」
「だからな」 
 それ故にというのだ。
「ふわりにもな」
「しっかりとよね」
「ジステンバーの薬もな」
「飲んでもらって」
「注射もな」
 こちらもというのだ。
「やってもらうぞ」
「そうするわね」
「さもないとな」
「本当になるわね」
「命に関わるんだ」
 ジステンバーに罹ればというのだ。
「それでだ」
「そちらも忘れないわね」
「狂犬病もでな」
「狂犬病も怖いけれど」
「本当にな」
 まさにというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ