勝者は・・・
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がタイムアップとなると彼の猶予もほとんどない。
「あれ?」
エルザが守り抜くかシリルが逆転するか、手に汗握る攻防に全員が固唾を飲んで見守っていたところ、ジュビアはあることに気が付いた。
「これ・・・シリル負けてません?」
「え?なんで・・・あ!!」
彼女がなぜ突然そんなことを言い出したのかと思った面々だったが、彼女たちもジュビアの言わんとしていることがすぐに理解できた。
「そっか!!シリルの持ち時間はもう10秒もないけど・・・」
「エルザは口から外されてから10秒リタイアまでタイムラグがあるんだ!!」
もしシリルがリタイアギリギリでエルザから魔水晶を奪っても彼女はすぐにはリタイアにならない。つまりこのままではシリルの敗北は覆しようがないのだ。
「シリル殿はわかっていないのか?」
魔水晶ビジョンから試合を見ているのは評議院のジュラたち。彼らもこのままでは結果が覆らないことに気が付いていたが、シリルはそれでも新たな魔水晶を使おうとしない。
「自分の残り時間がわかっていないんじゃないのか?オォ?」
「ただでさえも判断力が鈍るこのフィールドでは無理もないか」
ウルフヘイムとハイベリオンも同様のリアクション。しかし、カミューニとゴッドセレナはそのやり取りを聞いてため息をついていた。
「戦局がゴッド見えてないな?お前たち」
「何?」
いつものような軽い口調にムッとするウルフヘイム。険悪なムードになりそうなのを悟ったカミューニがゴッドセレナを制止する。
「シリルの選択はあながち間違いじゃねぇってことだよ」
「間違っていない?」
「あぁ。もっとも、リスクが高すぎてやるべきじゃねぇとも言えるけどな」
どう見ても追い込まれているのはシリルのはずなのに、なぜか彼の方が有利なように話す二人。それにはウォーロッドも賛同なのか、小さく頷いていた。
(残り5秒・・・もう終わりか?シリル!!)
勝敗が決したかのように見える戦い。それは水中にいるエルザも同様だった。
(ここから私の魔水晶を落としても先にリタイアになるのはシリル。このままではどうあがいてもここから逆転することはできないぞ)
彼が勝利するには今持っている酸素魔水晶をすぐにで吸い込みタイマーを戻すこと。だが、恐らく身体に酸素がほとんど残っていない彼は急な酸素の取り込みで動きが鈍くなるはず。
(狙うはそこ!!もしそうしなければそのまま―――)
完全に見えた勝利への道筋。対する少年は自ら破滅の道を進むのか、特攻
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