魔力量
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の?」
キメラの頭部で腰を落とすアウラは、頬杖を突きながら尋ねた。
「さあね? 俺も初使用だから、これからのお楽しみだよ」
ウィザードはそう言って、早速魔法用の指輪を付け替える。
『バインド プリーズ』
発動した拘束の魔法。
水で作られた鎖が、キメラの体を拘束する。
そして、発動した数。それは、これまでのウィザード ウォータースタイルが発動させた鎖の比ではない。
全身の至る所を鎖が締め付け、もはや生身の部分が見えなくなっている。
「すごい魔力量だな」
さらに、ウィザードが手を地面に押し当てることで、鎖もキメラを地面に押し付けるように下がっていく。
「あら……」
キメラから飛び降りたアウラ。
「確かに魔法そのものは大したものね。いいわ。そろそろこれの氷も溶けてきたし……」
アウラが、自らの手に収まった天秤を見下ろす。フロストノヴァの氷がすでに小さくなっており、天秤の動きを阻害することはもうなくなっていた。
そして、
「服従させる……」
『ライト プリーズ』
だがウィザードは、彼女の魔法が発動するよりも素早く指輪を発動。
油断しきったアウラの目の前で、強化された光の魔法が発動した。
「何っ!? う……あああああああああああっ!」
突然の光量。夜も相まって、急激な視界の変化に、アウラは目を抑える。
その隙に、ウィザードは彼女の腹部を蹴り飛ばし、その手から天秤が零れ落ちる。
それにより、彼女の魔法拘束力が弱まり、一瞬キメラの体から力が抜けた。
その隙に、ウィザードはアウラへ接近、その手から天秤を蹴り飛ばす。
「よし!」
「やってくれるわね……」
アウラはウィザードを睨む。だが、急激な明暗により彼女の視界ははっきりしていないのだろう。彼女の手はただ、虚空を掴んだだけだった。
だが、それでキメラの動きが消えたわけではない。
死骸の主であるアウラを守ろうと、キメラの骸の前足がウィザードを襲う。
『リキッド プリーズ』
だが一手早く、水のウィザード十八番の魔法が発動した。
液状化の魔法。文字通り、効果継続中はいかなる物理攻撃もウィザードには通用しない。
キメラの攻撃は全てウィザードの体を通り抜け、そのまま問題なくウィザードはキメラから離れた。
『チョーイイネ ブリザード サイコー』
そして発動する氷の魔法。
これもまた、ドラゴンの力を得て強化されている。
極寒の氷が魔法陣より放たれ、キメラの体を凍り付かせていく。
だが。
「そうはさせないわ」
視力を取り戻したアウラの手から、魔力が走る。
たとえ服従の天秤がなかったとして
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