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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアAXZ編
絶唱しない四方山話
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たからと言って何が出来るというものでもないだろう。と言うかあの頃はサンジェルマンから意識されてたなんて気付いてなかったんだ。どうしろと?」
つまりあの雰囲気に気付いていながら平然としている訳か。その度胸と胆力は見習いたい。
しかし……と奏は輝彦とアリスを見てふと思う。そう言えば颯人はモテるのだろうか? 中学まで一緒に行動していたが、自分以外の女子が颯人に近付いてきた記憶がない。だから大丈夫だと漠然と思っていたのだが、考えてみれば彼も顔立ちはそれなりに整っているし何だかんだで気遣いが上手い。考えてみると割と女性に人気があってもおかしくない要素を持っている颯人は、本当に自分以外の女子と接点は無かったのだろうかと不安になった。
「お〜っす。暇だからこっち様子見に来たよ〜」
等と考えていると颯人がふらりと発令所に姿を現した。彼は輝彦達の姿を見つけると軽く手を上げて挨拶し、そしてそのまま自然な流れで奏の隣に陣取った。
奏は彼が隣に来ると、ちょっと無性に気になりだした事を聞いてみた。
「なぁ颯人」
「ん?」
「お前、さ……中学ん時とか、アタシ以外の女子に声掛けられたりした?」
「は?」
突然の奏の問いに、颯人は訳が分からないと素っ頓狂な声を上げてしまった。その声に奏もアッとなりそっぽを向き先程の発言を撤回する。
「あ、や、何でもない。忘れて」
慌てて質問を無かった事にしようとする奏に対し、颯人は何かを察したのかどうかわからないが彼女の方に手を回しながら答えた。
「俺に態々声掛けるような物好き、居る訳ねえじゃん。あの頃も俺、結構な悪戯小僧だったぜ?」
「それは今もだろうが、馬鹿者」
すかさず飛んでくる輝彦からの鋭いツッコミに、颯人は目をクルリと回し口笛を吹いて誤魔化す。対する奏は、そう言えばそうだったと昔の自分達を思い出す。あの頃も颯人は結構な悪戯好きであり、事ある毎に騒ぎを起こしていた記憶がある。
ただ彼の悪戯の標的となったのは、飽く迄行き過ぎた虐めなどをする生徒が主であり誰彼構わず仕掛けていた訳ではない。それでも内容がやり過ぎだと教師連中には目を付けられていた訳だが…………
――そう言えば……――
そこで奏は思い出す。颯人が悪戯を仕掛けて懲らしめた者の中には女子も居て、その女子が虐めていた別の女子がそれ以降颯人に向ける目が今思うと熱が籠っていたような気がする事を。
あの後皆神山での事件が起こり、それ以降颯人は消息不明となってしまった為その事はそれで終わりだったが、もしあの事件が起こらず颯人と奏が学生生活を続けていたらどうなっていた事か。
「…………むぅ」
「奏? どした?」
「別に……」
そんなもしもを想像して、何だか面白くなくなった奏は思わず颯
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