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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアAXZ編
絶唱しない四方山話
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焼くような柔な鍛え方してないんでね」
「調子に乗るんじゃない。そんな事を言っていると足元を掬われるぞ?」
「へいへい」
何て事はない風に言う颯人を輝彦が軽く叱る。先の戦いで颯人は魔法使いとして大きく成長する事になった訳だが、それに胡坐をかいている様では今言ったように足元を掬われかねない。それを理解している輝彦は、勝って兜の緒を締めよと言わんばかりに少し厳しい事を颯人に告げる。言われた颯人も、輝彦の言う事だからかそれとも本人も一応理解はしているのか、肩を軽く竦めつつ返事をした。
そこに颯人の帰還を聞きつけたのか奏がやってきた。
「お! やっぱり帰ってた。お帰り颯人!」
「おぅ! ただいま奏」
互いに声を掛け合うなり奏は軽く勢いをつけて颯人に抱き着き、彼はそれを難なく受け止めた。死ぬ一歩手前まで行ってしまったからか、あれ以降2人はかなり距離が近い。まぁそれは透とクリスも同様なのだが。
流石にキスまではいかずとも、体を密着させる2人の姿に輝彦は溜め息と共に呆れた声を出した。
「颯人……奏ちゃんも、互いが恋しいのは分かるがもう少し慎みを持ったらどうだ? 少し事由にし過ぎだぞ?」
前よりさらに自由に振る舞う颯人に、輝彦が苦言を呈する。それを聞いた弦十郎を始めとした発令所の者達は全員が同じ事を思った。
お前が言うな…………と。
結局は、蛙の子は蛙、その逆もまた然りと言う事なのだろう。
気付けば輝彦と颯人、そして奏の3人で行われているお茶会を眺めながら、弦十郎はそんな事を考えるのだった。
2.嘗ての恋の鞘当て合戦
「失礼するわ」
パヴァリア光明結社との戦いを終えてから起こった大きな変化として、S.O.N.G.は錬金術師協会と提携するようになった事が挙げられる。この組織は瓦解した結社に代わり錬金術師を統括・管理する為の組織であり、組織瓦解のどさくさで世間の闇に逃れる錬金術師が出ないようにする為の存在でもあった。今は結社から組織を再編しつつ、今後の具体的な活動の為に様々な調整を行っている最中である。
その報告と交流を兼ねて、サンジェルマンとカリオストロ、プレラーティの3人が本部潜水艦を訪れていた。
「あぁ、君らか。何時も悪いな、態々足を運んでもらって」
「構わないわ。これまでに私達がした事を思えば、この程度どうと言う事は無いもの」
そう言って微笑むサンジェルマンの顔には、以前の様な険しさは感じられない。決して過去の己の所業を忘れた訳では無いものの、それでも肩の荷を下ろし前へと進む事に希望を抱く事が出来た証だろうか。彼女の笑みに、カリオストロとプレラーティも満足そうにしている。
それを発令所で有事に備えて控えていた奏がぼんやりと眺めていた
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