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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアAXZ編
絶唱しない四方山話
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彦が一言声を上げれば颯人は途端に大人しくなった。大人組であるにもかかわらずどちらかと言えば自由人な颯人の手綱を、奏以外に握れる人材は貴重である。
そして二つ目の利点は、それまで隠してきた社交性を露にしてくれた事だ。ウィズであった頃は前述した通り周囲に壁を作っており、必要以上に慣れ合う事を良しとしなかった様子だが今は違う。それまで素っ気無い態度を取っていた事を謝罪するかのように、今は本部内のスタッフと積極的に交流を持つようになっていた。
驚くべきはそのコミュニケーション能力。同じ発令所に居る朔也やあおいを始めとしたオペレーターは勿論、他部署のスタッフとも気付けばあっという間に打ち解けていた。思えば颯人も二課にやってきてから馴染むのは早かった。ここら辺は流石は親子と言ったところだろう。
そう、彼と颯人は親子なのだ。それはつまり、自由人な気質を持つのは輝彦も同じと言う事。颯人に比べれば落ち着きを持っている彼だが、こちらもこちらでどちらかと言うとゴーイングマイウェイな所は持ち合わせていた。
その最たるものが…………
「――む、時間か」
〈コネクト、ナーウ〉
輝彦は徐に懐から凝った装飾の懐中時計を取り出し時間を確認すると、魔法で空いてるスペースに椅子とテーブルを出現させた。テーブルの上にはソーサーに乗ったティーカップとティーポット、そして茶請けのスコーンが乗った2段ケーキスタンドが存在している。輝彦は椅子に座ると、バーナーの魔法で火をつけポットで湯を沸かし、ティーポットに紅茶の茶葉を入れて午後のティータイムを始めたのだ。慣れた手つきでティーポットに湯を注ぐと、紅茶の芳醇な香りが辺りに漂う。
空いてるスペースを使っているとは言え、発令所で堂々とティータイムと洒落込む輝彦に弦十郎は顔に疲労を滲ませた。
「一つ気になってたんだが……それ、前からか?」
「ん? それ?」
淹れた紅茶をスコーンと共に楽しみながら、輝彦は弦十郎の言葉に首を傾げる。弦十郎は首を傾げる輝彦に、改めて魔法で出したティーセットを指差して訊ねた。
「ウィズだった頃から、そうやってティータイムをしてたのか?」
「あぁ、してた。イギリスに居た頃にな、ティータイムの習慣が根付いてしまったんだ。案外悪くないぞ?」
「ティータイムが悪いとは誰も言わんが……」
ここで問題にしたいのは、所構わずティータイムと洒落込もうとする事の方を言いたかった訳で、誰もティータイムそのものを問題にしている訳ではない。
そんな事を考えていると、先程捕捉した錬金術師の抵抗が激しいと言う事で応援に向かった颯人が戻ってきた。
「ただいま〜っと。一仕事終えてきたぜ〜」
「あぁ、ご苦労だった。報告は聞いてる。大した事なくて良かった」
「ま、あの程度に手を
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