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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアAXZ編
絶唱しない四方山話
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1.蛙の子は蛙、逆もまた然り
パヴァリア光明結社との戦いが終結してから早数日が経っていた。
司令部ではこの日も事件の事後処理の他、組織瓦解後に姿を眩ませた錬金術師の捜索などで忙しい日々を送っている。そんな中で、事件の前後で大きく変化した事が幾つかあった。
その最大の変化点と言えば、やはり発令所の壁際で控えている壮年の男の存在だろう。彼の名は明星 輝彦……颯人の実の父にして、それまでウィズと名乗り颯人やS.O.N.G.に協力していた魔法使いである。
結社との戦いの最終局面において、自身の魔力の暴走により死の縁に立たされた颯人。息子の死を前に、そして彼を愛する奏に暴露された事によりそれまで被っていた仮面を妻であるアリス共々脱ぎ捨てた彼は、戦いが終わった後もああして素顔を晒したまま以前と変わらぬ協力者として弦十郎達に手を貸していた。
「しかし、何と言うか……」
「何だ?」
仕事が一段落したタイミングで、弦十郎はあおいが淹れてくれたコーヒーを一口飲みつつ壁際に立つ輝彦に目をやる。彼が声を掛けると輝彦は口調こそ以前と変わらぬもので返してきたが、受ける印象は仮面を被っていた頃に比べて遥かに柔らかい。人間味を感じやすくなったからだろう。前は彼との間に一定の壁を感じていたが、今は自然とそれを感じる事無く接する事が出来ていた。
弦十郎は思わずそれを素直に口にしてしまった。
「いや、君が仮面を脱いだだけで、ここの雰囲気も随分と軽くなった気がしてな」
「……そんなに不機嫌にしているように見えたか?」
「そうは言って無いさ。ただ顔を隠していた頃より、胸襟を開いた状態で居てくれた今の方がこちらとしても話しやすい」
「……悪かったな」
弦十郎の言葉に輝彦はバツが悪そうにそっぽを向いた。一応彼なりに、これまでの事を悪かったとは思ってくれているらしい。これまではジェネシスとの戦いに勝つ為、ジェネシスによる被害者を増やさない為に修羅となる覚悟で存在していた。だが颯人の父親に戻るに当たり、修羅としてあり続ける事が出来なくなればこうも雰囲気が変わるのだ。
人間変わる時は変わると言うが、仮面一つ脱ぎ捨てただけでここまで変わるとは、弦十郎からしても少し意外なところはあった。
とは言え、現状悪い事は何一つない。寧ろ、彼が輝彦として、颯人の父親として戻ってくれた事は様々な利点があった。
まず一つに、輝彦が相手だと颯人は本当に頭が上がらない。ウィズを相手にしている時は心の何処かにある反抗心を感じさせた――尤もそれは途中からは彼が父親だと気付いて敢えてそう振る舞っていた可能性もあるが――態度だったが、正真正銘自分の父親が相手となると流石の颯人も大人しくなる。別段普段から颯人が問題ばかり起こしている訳ではないのだが、輝
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