第十話 部活でその二
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「包丁は」
「鈴木ちゃんはそうなの」
「はい、私も子供の頃からお料理してますけれど」
このことは夜空と同じだというのだ。
「好きでお母さんの手伝いなんかもして」
「お料理してたのね」
「ですが包丁も他のものも」
「右手に持ってるのね」
「特に誰からも言わなかったですが」
それでもというのだ。
「私はそうで」
「右利きなのね」
「鞄もお箸もペンもです」
全部というのだ。
「右で持ってます」
「私もお箸やペンは右よ」
「そちらですか」
「ええ、けれどね」
「包丁とか鞄はですか」
「両方よ」
そうだというのだ。
「こういうのはね」
「そうですか」
「そうなの。あとボール投げるのは右よ」
「その時もですか」
「ええ、そうだけれど包丁とか鞄はね」
「両方ですか」
「それで今もね」
まだ左手に包丁を持っている、それを動かしながらそのうえでかな恵に対して話をしていくのだった。
「左にね」
「持ってますね」
「それでこのままね」
「使えますね」
「そうなの、不便にもね」
その様にもというのだ。
「特にね」
「思われないですか」
「そうなの」
こう話した。
「別にね」
「そうですか、いいですね」
「いいかしら」
「両利きですと」
それならというのだ。
「一度に包丁が使えて」
「より多く切れて?」
「他にも両手でそれぞれ出来たり片手が駄目でも」
「もう片方が使えて」
「それで、です」
「いや、別にね」
夜空は羨ましそうに語るかな恵に答えた。
「そうしたことはね」
「ないですか」
「そうよ」
真面目な顔で話した。
「変わらないわよ」
「そうですか」
「まあ片方の手が疲れたら」
「もう片方ですね」
「鞄を持っていてもね」
そうであってもというのだ。
「片方の手が疲れたら」
「もう片方に持ち代えるとか」
「出来るけれどね」
「それがですよ」
「便利なのね」
「利き腕じゃないとどうしても」
そちらの手で持つと、というのだ。
「無理がありますから」
「そうなの」
「ですから」
「両利きだと楽なのね」
「はい」
夜空に話した。
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