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ドリトル先生と不思議な自衛官
第八幕その二

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「戦争前は高くて」
「そうは食べられなかったんだ」
「そうだったんだね」
「それはね」
「私達気付かなかったわね」
「そうだったね」
「自由軒のカレーもね」
 先生達と馴染みの織田作之助さんが生前大好きで今も難波にお店があるこちらのカレーはというのです。
「卵が入っているね」
「生卵がね」
「カレーの真ん中に」
「そこにおソースかけるのよね」
「そしてルーとご飯が混ざってあるカレーに掻き混ぜて食べる」
「そうするね」
「あのカレーもね」 
 先生はお話しました。
「実はね」
「高価だったんだ」
「その頃は」
「ご馳走だったの」
「卵が入っているから」
「そうだよ、織田作さんは生前毎日の様に食べていたけれどね」 
 このカレーが大好物だからです。
「卵が高価だったからだね」
「それでだね」
「ご馳走だったから」
「そのことは頭に入れておくことだね」
「しっかりと」
「それも歴史でね、そして」
 先生はさらにお話しました。
「海軍でもだよ」
「卵は贅沢だったんだ」
「そうした食べものだったんだ」
「何でもない風に思っても」
「僕達はそう思っていても」
「養鶏場も今より少なかったし」  
 戦前はというのです。
「それに冷蔵庫もなかったね」
「あっ、食べものを保存する」
「卵も」
「卵も保存しないとね」
「冷蔵庫の中でね」
「冷蔵庫それに冷凍庫が出来てからだよ」
 まさにそれからというのです。
「色々な者が食べられる様になったよ」
「そうだよね」
「食べものを冷蔵、冷凍出来る様になって」
「長持ちする様になって」
「それでだね」
「食べられるものが増えたね」
「テレビ、洗濯機、冷蔵庫は世の中を一変させたよ」
 この三つの電化製品はというのです。
「そう、冷蔵庫もね」
「卵も保存してくれる様になった」
「それで他の食材もよね」
「保存してくれる様になった」
「それで色々なものが食べられる様になったんだ」
「オムレツそれにオムライスも」
 この食べものもというのです。
「大和では兵隊さん達は中々ね」
「そうしたものは食べられなかったんだ」
「オムレツやオムライスは」
「卵が高価だったから」
「卵も少なくて保存技術が未熟だったから」
「それでだよ」
 まさにその為にというのです。
「士官の人達は兎も角」
「兵隊さん達はそうはいかなかった」
「下士官の人達も」
「そういえば士官の人達は食費自分達が出していたね」
「兵隊さん達と違って」
「そのこともあったわ」
「そう、士官の人達は食べていたんだ」 
 自分で食費を出すうえに立場のある人達はというのです。
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