第一章
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「けれどな」
「それでもだな」
「それだけでいいよ」
「そうだな」
「ラーメンは寒い方が売れるよ」
ラーメン屋の店員として話した。
「けれど雪が積もるのはな」
「駄目だな」
「店員も行き来が大変になるしな」
自分達もというのだ。
「だからな」
「そうだな」
「ああ、ただな」
ここでだ、洋介はこうも言った。
「ふわり雪好きだろ」
「そうした犬は多くてな」
「ふわりもでな」
今はケージの中で丸くなって寝ている彼女を見て言った。
「そうだけれどな」
「それは仕方ないからな」
これが父の返事だった。
「雪はな」
「天気のことだからな」
「人間じゃどうしようもないだろ」
「積もるにしても」
「だから今年は雪の上で遊べなくて残念だけれどな」
そうした事態になってもというのだ。
「そうだけれどな」
「そこは我慢してもらうか」
「いや、何ならな」
父はここでこう言った。
「スキー場に連れてくか」
「六甲のか」
「あそこなら積もってるしな」
雪がというのだ。
「最悪人工雪もあるからな」
「だからか」
「今度ふわり連れて行くか」
「そうするか、家族であっちに行って」
「それじゃあな」
「そうしようか」
こうした話をしてだった。
一家でふわりを六甲のスキー場に連れて行った、するとふわりは雪の上で楽しそうに駆け回って鳴いた。
「ワンワン」
「ふわり楽しそうだな」
「ああ、だったらこれから暖冬で雪が積もらなかったらな」
文太は洋介に話した。
「ここに連れて来るぞ」
「今みたいにか」
「ああ、いいな」
「それじゃあな」
息子もそれならと頷いた、そうしてだった。
楽しそうに遊んでいるふわりを見た、ふわりは今年も雪の上で遊べてとても嬉しそうで尻尾も振っていた。
暖冬だと普段より 完
2024・3・23
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