第二章
[8]前話
「一緒のものを買うんだぞ」
「いいわね」
「何でいつもそう言うの?」
まずは姉の真樹が言ってきた。
「お父さんとお母さんって」
「そうよね、何でもお揃いで」
妹の真澄も言った。
「一緒のものを買いなさいって」
「そう言うわよね」
「それはどうしてなの?」
「服も食器もね」
「当たり前だろ、二人のどっちかがよくて悪いとかになったら駄目だろ」
父は娘達に話した。
「平等に公平にだろ」
「お姉ちゃんだから妹だからじゃないの」
母も言った。
「持ってるものはね」
「同じものじゃないと駄目なのね」
「平等に公平に」
「自分で買ったものは自分のものだけれどな」
父はそれでもと話した。
「自分で手に入れたら」
「けれどお父さんやお母さんが買ったりしたものは同じものじゃないとね」
「不公平だからな」
「家族で不公平はよくないからよ」
二人で娘達に話した、すると娘達もだ。
納得した顔になった、そのうえで頷いた。
「そうなの」
「それで私達いつも同じもの買うのね」
「服とか食器は」
「シャーペンや筆箱も」
「そうだ、だから買ったなら」
父はそうした後のことも話した。
「ちゃんと名前書いておくんだぞ」
「同じものでもあんた達それぞれのものになるから」
母もそれでと話した。
「だからね」
「ちゃんとな」
「名前は書いておくのよ」
「うん、そうするね」
「お家に帰ったら書いておくわ」
娘達も素直に頷いた、そうしてだった。
姉妹はお揃いのセーターを相談して選んで両親に差し出した、そしてそのセーターを買ってもらってだった。
家に帰ってそれぞれ名前を書いた、そして仲よく着て暖かい思いをしたのだった。
姉妹同じセーター 完
2024・3・23
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