第二章
19.キラーマシン
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当たり前だ』である。
「じゃあ代表フォルくん、おれに聞きたいことがあったら質問どうぞ。答えるよー」
その空気を楽しむように、謎の青年が明るく問いかける
「すみません。いっぱいありすぎて何から聞いたらよいかわかりません……」
「ふふふ。じゃあとりあえず、フォル君の頭の中で一番はじめに浮かんだ質問だけどうぞ」
「そうですね。タクトさんはどこから来たのか、です」
「おれは、あっちから来た」
彼が指で指し示したのは、真っ青な空だった。
「空から、ですか?」
「空の向こう、かな」
「やっぱり神様か精霊様なのですか」
「それが違うんだよなあ。残念」
「そうですか……。でもキラーマシンさんを作ってくださるようなところであれば、きっと素敵なところだったのでしょうね」
「あー、昔は知らないけど、今はクソみたいなところだ。だからおれはこっちに来たのさ」
突然少し声が低くなったので、フォルは驚き、彼の表情をあらためて見た。
「細かい事情は話すとちょっと長くなるから、みんなひどくお疲れのときに話すもんでもないかな? いつか話すよ」
表情までは変わっていないようだった。飄々とした笑顔。
ただ、どうやら故郷のことをよくは思っていないようであった。
「はい。タクトさんの気が向いたときでかまいません」
「うんうん。おれはもう君の部下。ワクワクさせてくれるうちはどこにも逃げないからね」
「ってことはワクワクしなくなったら逃げるってことか。いい度胸だな」
「うわー、こわ」
斧に反射した日差しで顔を直射された青年が、ブルっと震えた。
「まあまあ。めでたく全員生還したわけじゃし、仲良く凱旋といこうかの」
老アークデーモンが笑いながらなだめる。
やるべきことは依然として山のように積まれている。だが束の間の安息を、一同空の上で楽しんだ。
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