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邪教、引き継ぎます
第二章
19.キラーマシン
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よさそうだ」

 立ち上がったまま、腕や脚を動かして着心地を。自分で体を叩いて強度を確かめている。
 緑と濃紺が基調になっているその服は、首から下のほぼ全身を覆っていた。
 やはり薄そうではあるが、肩や膝などの関節部分や、首の後ろから背中の上部にかけては、何やら金属で覆われているようだ。

「でしょ。体にピタッと密着するから何も着てないのと勘違いするくらい動きやすい。あ、けど、頑丈であっても無敵というわけではないのと、たまに日差しに当てないと機能が落ちるので注意して」
「日差しが好きな服か。それはいいな。日が当たるところで堂々と暮らすのがオレたちバーサーカーの悲願だ。ありがたくもらうぞ。お前を斧でバラすのはこの恩も返してからにする」
「結局おれは斧で解体されるのか、やべえな」
「タクトよ。それ、たくさん作れたりはせんのかのお?」

 ここで質問してきたのは老アークデーモンである。
 そんなによい服なら量産して他のバーサーカーにも着させては、という提案だった。

「んー、残念ながらおれは作れないから無理なんだよね。この一着だけ」
「おいおい。一つしかないのにオレに渡していいのかよ。まあもう返す気ないけどな」
「全然かまわないよ。おれ戦いの経験はないんで、ここじゃおれが持っててももったいないだけ。それに……」

 青年は、やはりボロボロになっていたフォルの魔術師のローブを、指差した。

「それがめちゃくちゃ着てみたくてさ。部下になるんだから、おれの分も用意してくれるんだよね?」
「もちろんです。裁縫道具も無事に見つかってますので、帰ったらすぐにお作りしますよ」
「やったー。かっこいいよね、その信者服と仮面」
「ありがとうございます! そう言ってくださると、きっとハーゴン様もハゼリオ様もお喜びになると思います」
「……いや、かっこいいか? それ」

 バーサーカーの少女は、若干呆れ顔だった。

「そうだ。ロンダルキアでも停止してるキラーマシンがけっこうあるんだよね?」
「はい。残念ながら全員やられてしまいまして。魂が抜けてしまったキラーマシンさんがたくさんいらっしゃいます」
「よーし。ロンダルキアに着いたら片っ端から動かせるか試してみるよ」
「ありがたいです。有事にもぜひキラーマシンさんたちの指揮をとってくださるとうれしいです」
「おー、いいねそういうの。引き受けた! おれがキラーマシン隊の隊長! 面白そう」
「いや、お前本当に何者だよ」
「何者でもないよ。おれはただの人。でもキラーマシンはおれらのご先祖様たちが作ったものだからね。だから動かしかたと指示のしかたを知ってるだけ」

 サラッと言われた重大な事実。他の三人は体がビクンとなった。

「ふふふ。驚いてる驚いてる」

 一同、『
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