第23話:勇者の計算外その5
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ください!彼女は私達の大切な仲間なのですよ!」
「お前らは僕がこんなところで死んでもいいのか!勇者だぞ!僕は魔王を倒し世界を救う選ばれし勇者なんだ!」
リサもソアラも黙り込む。
当然の反応だ。僕の言っていることは正論なのだから。
お前らと僕とでは命の重みが違う。
お前らは死んでもいいが、僕だけはどうやっても生き延びなければならないんだ。
「逃げてくれ!ここはアタシが引き受ける!」
「当然だ。お前はそこそこ顔も体も良かったが、もう飽きたよ、ここで僕の為にしっかり死んでくれ」
「セイ、ン?」
僕は2人を連れて離脱する。
くそっ、こんなところで駒を失うなんて想定外だ。
あいつはいずれ捨てるつもりだったが、それは新しい駒を見つけてからだったんだ。
いいさ、次はもっと抱き心地が良くて強い女を僕の物にしてやる。
その為にはレベルを上げなければ。
できれば他人の女が良いな。
人のものを奪うのは最高の快感だ。
「貴様らには仲間の死に報いようという気概は無かったのか!?この人でなし共がぁー!」
男の怒号が聞こえた。
「うううっ、ネイ……」
「なんてことを。仲間を見捨てるなんて」
「尊い犠牲さ。落ち込むことはない」
それよりも国王の依頼を達成できなかったことの方が問題だ。
待てよ……本当に問題か?
違うな、これはレベル205の敵がいることを教えなかった国の責任だ。
むしろ僕は被害者だ。
危うく死ぬところだったんだぞ。
おまけに仲間も1人失ってしまった。
責められるべきは国であり国王だ。僕じゃない。
月鍔ギンコperspective
「と言う訳で、魔王と合戦しに往きます!」
とは言ったモノの……しかし、魔王とはどの様な人物なのか?
力強いマモノ達を従える器量。
思慮深く野心に満ちた大大名の如き御仁であろう。
む?
と言う事は……
戦場なら兎も角、平時に某の様な一介の侍が立ち合いを望んでも……身分が違い過ぎてお相手して貰えぬのでは?
「うおぉー!そ、そんな情けない話は無い!門前払いなど侍の恥!」
「……何を騒いでいる?」
あっ。
「いやすまぬ。もしも魔王に相手されなかったら思うと―――」
「それは無いだろう。だって魔王軍の幹部を3人も葬ってるし、聖剣も3本あるし―――」
「どの道門前払いされるのは当然でしょ。僕達は勇者セイン様が率いる白ノ牙じゃないんだから」
「だーかーら!お前の力がウンコセインの手に渡ったら取り返しがつかない事になるって何度言ったら解るんだ!」
……またノノ殿とセツナ殿が喧嘩を始めてしまいました。
果たして……某達は魔王と合戦できるのでしょうか……
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ