第23話:勇者の計算外その5
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士が僕に質問するが……
何故そこでサムライが出て来る!?
万死に値するわ!死にぞこないのクソゾンビ共ぉーーーーー!
「全員戦闘態勢!あの男をやる!」
「分かったわ!フレイムブロー!」
リサの炎魔法が敵の集団を直撃する。
あの甲冑騎士も炎に包まれた。
だが、この程度で死にはしないだろう。
すかさず走り出し剣を振るう。
甲高い音と共に刃が何かに防がれた。
「俺はつい先日この近くの城に越してきた魔王軍の幹部の者だが……本当にその程度の理由で引っ越しさせられたのか?」
「無傷……だと……?」
炎が吹き飛び甲冑騎士が現れた。
僕の剣は容易に手甲で阻まれていた。
リサの魔法を喰らって無傷なんて、こいつ……ヤバい。
鑑定スキルで確認すればレベルは205。
噂に聞く死霊魔法か。
死体を操り従わせる忌み嫌われた魔法。
おまけに背中が凍りつく感覚があった。
おそらく戦闘技術でも僕を遙かに上回っている。
なんだこいつ、どうしてこんなところにこんな奴が。
男は僕を見て目を細める。
「貴様、もしかして新しく選ばれた勇者か?」
「だ、だったらどうする!」
「勇者よ、1つ訊いて良いか?我らが同胞、魔王様の配下を殺したサムライはどこにいる?」
「知りません」
僕の剣は拮抗することもなくあっさりと弾かれ、がら空きの眉間に激烈な右手の中指のデコピンがめり込んだ。
たったそれだけの他愛もない攻撃で、僕の体が派手に吹っ飛んだ。
地面を何度もバウンドし、その度に体が叩きつけられる。
「おぶっ、へぶっ、ごぶっ」
吐き出すのは粘度の高い唾液。
これほどのダメージを受けたのは生まれて初めてだ。
「弱い……本当に知らぬ様だな?」
「やめてくれ……ころさないで……」
「……質問を変えよう。貴様レベルはいくつだ」
「63です」
「……まぁいい。俺はお前ら雑魚にちょっかいかけにこの地に来た訳ではない。俺が幹部だと知っていて喧嘩を売っているなら堂々と城に攻めてくるがいい!その気が無いないなら街で震えてるがいい!」
男の背後に控えていたゾンビがゲラゲラ笑う。
僕はかつてないほど屈辱を受けていた。
205だって知っていれば戦わなかったさ。
笑うな、僕を笑うな。殺すぞお前ら。
「セイン、今助けるから!」
リサの炎魔法が男の腹部に直撃する。
すぐさま僕は後方へと下がり、入れ替わりにネイが空中右ストレートをたたき込んだ。
だが、男は微動だにせず拳を甲冑で平然と受け止めている。
「まだまだ!」
ネイは体をひねり太い首に空中回し蹴りを喰らわせた。
けれど男の体は岩のように重く動かない。
ちょうどいい、ネイにはこのまま戦ってもらおう。
「ネイ!そいつをここで足止めしろ!」
「ちょ、セイン!?ネイを捨てる気なの!?」
「助けてあげて
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