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色々と間違ってる異世界サムライ
第23話:勇者の計算外その5
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コ、お前だよ」
何の関係も無い話で何の前触れも無く指名されたツキツバさんがキョトンとしていた。
「……某?」
「何で!?ツキツバさんは寧ろ勇者セイン様が率いる白ノ牙(ホワイトファング)と魔王軍との戦いに巻き込まれた被害者なんだよ!その被害者に―――」
僕はセツナさんにビンタされた。
「目を覚ませ!何故ツキツバがこの世界にいるのか考えた事はあるか!?」
「ツキツバさんがこの世界にいる理由……」
今度はセツナさんが僕を説得しようとする。
「ツキツバ!お前は確か『テンショウジのダイブツにお祈りをしていたらノノが暮らしていた村に飛ばされた』と言っていたな!?」
「……そうですが、それが何か?」
「それってつまり、テンショウジのダイブツがウンコセインを見限ってツキツバ・ギンコに鞍替えした。そうは思わんか」
「でも、ツキツバさんは勇者じゃないし―――」
けど、当のツキツバさんが僕の肩を叩きました。
「ノノ殿、じゃま……」
……怖い……
「被害者?馬鹿を言ってはなりませぬ。そんな(こころ)が濡れる話を聴かされて、据え膳食わぬは侍の恥!仏様は言っておられる……人と魔の争うこの合戦場で存分に戦い、侍として死に遂げよと言っておられる!是非も無し!」
ちょ……なんであんたが答えてるんすかー!
更にセツナさんは畳みかける様にめぐみんさんを見た。
「それに、魔王に爆裂魔法をぶち込めば、アークウィザードとしての箔も爆上がりだと思うぞ!」
それを聞いためぐみんさんの目が輝いた。
「爆裂魔法!?望むところです!」
なんか勝手に盛り上がってるし!
おお……おおお……落ち着け。お……落ち……落ち着くんだ僕。ここここ……ここは冷静に2人に上手くお断りさせて、勇者セイン様が率いる白ノ牙(ホワイトファング)の仲間入りさせないと!
「あ……あのですねツキツバさん。申し上げにくいんですが―――」
「やりますぞ!ノノ殿」
「あっ……はい……頑張りましょうね……」
ど……どうしてこんな事に……
あぁー……この世界の運命が適当に決められて逝く……

セインperspective

僕は追い詰められていた。
あれから幾度もフェアリーの里へと向かったが、その後は話すらさせてもらえず、矢が飛んでくるだけ。
奴らは本気で僕を殺そうとしていた。
勇者であるこの僕をだ。
これ以上フェアリーに、時間を割くのは得策ではないと判断した僕は、馬を購入して急ぎオーサムに向かう。
ドワーフ?
そんなの知るか!そんな暇無いわ!
しかし、僕の行く手をゾンビの群れが阻んだ。
時間が無いって時にぃー!
「オーサムにある聖武具を狙っている冒険家グループがいると聴いていたが……お前達が噂に聞く『サムライ』か?」
首無し馬に乗って自分の頭を小脇に抱えた甲冑騎
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