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我が剣は愛する者の為に
すれ違う兄妹
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見に行こうよ。」

「分かりました。
 どの道、鈴々を一人にさせる訳にはいきませんしね。」

仕方がないと言った感じで、愛紗と桃香は鈴々の後を追う。





街に着くと縄から解放してもらった縁。
この街では旅に必要な物を補充するために寄った。
出来る限り早く陳留に着きたいと思っている縁は、ここである程度補給していきたいと思っている。

「各自、太陽が傾いた辺りにこの街を出発するからな。
 俺が必要な物を補充するから、皆は街を回って貰って構わない。
 出来る限り、物は買わないように。」

そう指示して、一旦解散する。
必要な物を頭に入れて、街の散策する。
途中、鍛冶屋などに寄って、自分の刀を複製できる職人が居るか聞いたりもする。
これは一刀にそろそろ刀を渡そうかと考えているからだ。
木刀に慣れて、本物の刀を扱うのに時間がかかるかもしれない。
実力も上がってきているので、そろそろかなと思っている。
残念ながら、この街にはそれができる職人が居ないとの事。
他の街で探すか、と諦め買い物を再開させる。
必要な物を買い終わり、これからどうするかと考えている時だった。
大通りに人だかりができているのを確認したのは。
興味が湧き、人だかりに近づく。
そこには豪鬼と美奈もいた。

「よう、何かあったのか?」

「縁殿、実は旅芸人がいるのですよ。」

「へぇ〜、このご時世珍しいな。」

旅芸人とは名の通り、旅をしながら街で自分の芸を見て貰い、お金を貰う事である。
お金を貰うのは強制ではなく、あくまで見ている人が払うか払わないか決める。
聞いた限りだと、コンビニで漫画を立ち読みするように思えるが、真に面白い芸なら人は思わず金を払ってしまう。
それほどの価値があると思わさればいい。
今の時代、賊などが多く蔓延る世界。
行商人以外で旅をする人はあまりいない。

「それで何をしているんだ。」

「何でも歌を歌っているようです。」

「うん、すっごく綺麗な声だよ。」

子供の意見は裏表がないので、美奈が言うのだから本当に良い歌声なのだろう。

「皆、ありがとう。」

真ん中に立っているピンクの色の髪をしたロングヘアで巨乳の女性が言う。
彼女が前に立つだけで視線が集まる。
主に男性の。

「ちー達の次の歌も聞いてちょうだい。」

続いて、右の一歩下がった位置にいる空色のポニーテイルの少女が可愛げに言う。

「それでは聞いてください。」

その女の子の対極の位置に紫色の髪をしたショートカットの眼鏡っ子が曲名と共に歌い始める。
歌を聞きながら、縁は思わず声が漏れた。

「これは・・・・」

「ええ、中々でしょう。」

豪鬼の言葉に素直に頷く。
彼女
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