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我が剣は愛する者の為に
すれ違う兄妹
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は愛紗。
関忠こと縁の義理の妹である。
幼い頃に自身を鍛えるために村を出て行った兄に追いつく為に、母親の元で修行。
母を超える強さを手に入れて、自信の兄を探す旅に出た。
その旅の途中で、主である劉備こと桃香。
義姉妹の契りを交わした張飛こと鈴々。
彼女達と一緒に旅をしている。
彼女達もこの負の連鎖に包まれた世の中を変えていきたい、という志の元に旅をしている。
賊に困っている村があれば、その賊を討伐したりなど出来る限りの事をしてきた。
愛紗自身、桃香の理想について行くつもりなのだが、彼女には兄を捜すと言う目標もある。
各地を転々としながら、兄に関する噂や情報などを聞き込みしているのだが、全く成果がない。
だから、彼女は何度目になるか分からないため息を吐いているのだ。

「こうしてため息を吐いた所で、兄様が見つかる訳がない。
 根気よく探すとするか。」

実は有力な情報は掴んでいた。
最近、噂になっている天の御使い。
その従者の特徴が兄の姿にそっくりだと言う。
成長した兄を見た事はないが、他にそれらしい噂も聞かないので、一番の有力な情報だと考えている。

「しかし、天の御使い殿の集団も旅をしている。
 天の巡り会わせに期待するしかないな。」

自分達も旅をする身。
これは天に任せるしかない。
気を取り直して、買い出しを続ける。
この街に寄ったのは食料などの補充のために寄った。
こういったのは鈴々や桃香に任せると、持っているお金が底に尽きるまで使うので、愛紗が担当している。

「あっ、愛紗ちゃ〜〜ん!」

と、聞き覚えのある声が聞こえた。
振り返ると桃香と鈴々がこちらに向かって走っていた。

「どうかされたのですか?」

「暇だったから街を歩いていたら、愛紗が居たから声をかけたのだ。」

「まだ買い物は終わらないの?」

「ええ、あと少しという所です。」

「だったら付き合うのだ!」

「それは構わないが、おねだりしても買わないからな。」

「わ、分かっているのだ。」

おそらく、愛紗が釘を刺さなければ、おねだりして食べ物を中心に買わされていただろう。
主に桃香に。
桃香は鈴々に少し、というかかなり甘い。
それが桃香の良さでもあるのだが、それを全開にして金が無くなってしまったら元も子もない。
自分がしっかりと手綱を握らないと、と再確認する。
三人でお店を回りつつ、必要な物を買っていく。
すると、大通りで人だかりができていた。

「何かあるのかな?」

「行ってみるのだ。」

愛紗が何かを言う前に、鈴々は人だかりに向かって走って行く。

「ああもう。
 鈴々め、もう少し落ち着きをだな。」

「まぁまぁ、愛紗ちゃん。
 私も気になるし、
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